(3) 地上処理装置 IDプレートの存在を自動的に検知し、地上装置〜車載装置間のデータ伝送を制御する。 (4) 地上アンテナ IDプレートとのデータ伝送を行う。 (5) IDプレート 車両に固有の識別番号と情報を保有し、データを伝送する。 (6) 車上処理装置 車上の情報を処理し、主幹制御器回路を遮断するリレーを制御する。 (7) 車上表示器 信号表示と押釦からなる。 1.3 研究の成果と今後の課題
1.3.1 研究の成果 本事業による研究の主な成果を、つぎに示す。 (1) 単線閉そく装置 本事業で試作した装置で、極小ゾーン通信機能を活用し、集中形の閉そく方式のアルゴリズムを確認した。このアルゴリズムは、マトリックス式連動方式の概念に準拠したものであり、試作装置を用いた検証により論理の有効性に対する貴重な知見を得た。 (2) 誤出発防止装置 誤出発防止装置は、信号装置から出発許可が得られない場合、車両の主幹制御器のノッチ回路を遮断する方式で走行できないことが確認された。 誤出発防止装置は、新しい閉そく装置と関係なく単独でも設備が可能であることも確認された。例えば、自動閉そく方式、特殊自動閉そく方式の線区に適用する場合は、IDプレートシステムと現地上設備の些少の配線変更と同時に、車上に出発許可連動継電器の新設および車両の主幹制御器のノッチ回路に出発許可連動継電器の1接点を追加することで可能になる。 1.3.2 今後の課題 今後の主な課題としては、つぎに示すものがある。 (1) 本事業で開発した試作装置は、メモリの障害対策等ハード、ソフトを含めた中央処理装置、車載装置、情報処理装置、地上処理装置等のフェイルセイフの検討を行っていないので、これらの検討が今後の課題である。 (2) 本事業で開発した試作装置は、閉そく機能のみを検討したもので、構内保安については触れていないので、今後の検討による。 また、構内保安の運転に関する場内信号機の有無、過走防護等の問題点については、二三の検討を行ったが、結論には至らなかった。
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