6.2 今後の課題
今年度の研究では朝ラッシュ時の乗降実態の調査、乗降行動のモデル化と乗客流シュミレータの開発など基礎的事項を検討した。また、車両毎の混雑度と乗車人数の不均衡を取りあげて、混雑度の低い車両へ乗客を誘導した場合の停車時分の増大防止効果を検証した。 次年度は列車毎の混雑度と乗車人数の不均衡に対して、混雑度の低い先行列車あるいは後続列車に乗客を誘導した場合について検証する。さらに、高精度の列車運行シュミレータを用いて、遅延の拡大や波及の防止について検証し、等時隔制御と混雑度平滑化の相乗効果も調査する予定である。一方、本研究成果の実用化にあたって不可欠な乗客誘導案内装置を試作し、情報提供による乗客誘導の可能性について検討する。 本研究事業では、乗客の流れを誘導・制御することにより、輸送力と旅客需要の一時的、局所的な不均衡を極力少なくしようとする新しい試みである。このため、次年度以降も乗降実態および列車運行状況の調査と分析、シミュレーション実験による検証が必要である。
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