3.8 列車運行データと映像データとの関連分析
図3.8−1に発着時隔と停車時分の相関を示す。図中のx軸は計画ダイヤと実績ダイヤの時隔の差、y軸は計画ダイヤと実績ダイヤの停車時分の差を示す。輸送力と旅客需要が均衡していれば、計画ダイヤ通りの列車運行が可能であり、発着時隔と停車時分は図の原点付近に分布すると考えられる。また、等時隔運転区間(東陽町発〜大手町着)では、X軸方向のばらつきがほぼ一定になるように調整される。 しかし、実際には停車時分は増大傾向にあり、発着時隔も例外的に大きくばらつく列車が存在する。これは輸送力と旅客需要が一時的、局所的に不均衡になること、初期遅延列車に対しては等時隔化が困難であることが原因と考えられる。これらの列車について、映像データで実際の状況を調べた結果、以下の事項を確認することができた。 ?@ 等時隔化のために、意図的に列車の出発を遅らせている場合がある。 ?A 車内混雑度が極めて高く、乗車人数は少数であるにもかかわらず、強引に乗車しようとして、乗車所要時間が長くなる。また高い混雑度で乗車するため、バッグ等の挟まれやドアの再開閉によって停車時分が延びている。 ?B 空いている車両を探して移動した結果、かけ込み乗車せざるを得なくなり、扉の再開閉によって停車時分が延びている。 ?C 茅場町のように降車客が多い駅では、降車でほとんどの計画停車時分を費やし、再乗車客の乗車により、停車時分が延びている。
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