日本財団 図書館


 

1.2 研究の概要

 

1.2.1 列車群管理と乗客流制御

 

列車運行を正常に保つためには、単位時間あたりの輸送力と旅客需要が均衡している必要がある。各駅毎の輸送力と旅客需要を考えた場合、ラッシュ時間帯において両者はともに時間的に変動するが、ある一定の幅で分布すると考えられる。このとき、図1.2.1−1に示すように輸送均衡直線を境として、乗客の快適、不快が変化する。

008-1.gif

ここで、列車群管理は輸送力の分布幅をできるだけ狭くする役割を果たしており、乗客流制御による混雑度の平滑化は旅客需要のばらつきを少なくすることを目的としている。例えば図1.2.1−2において、ある列車に遅延が発生し、前方駅で先行列車との時隔が増大した場合、単位時間あたりの輸送力は一時的に低下(同図?@)する。これに対して、列車群管理によって時隔を調整(同図?A)するか、混雑度を平滑化(同図?B)すれば、輸送均衡直線上に復帰させることができる。また、ある駅で一時的に多数の乗客が発生して、ある列車への乗客が増大した場合(同図?C)も、混雑度を平滑化(同図?D)すれば、輸送均衡直線上に復帰させることができる。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION