1. 概要
1.1 研究の目的
大都市圏における、通勤、通学手段としては将来とも鉄道が中心的な役割を果たしていくと考えられるが、ラッシュ時の混雑を緩和し、快適な旅客輸送を実現にするためには、尚一層の高密度運転が求められている。 このために従来から、信号設備の改善、車両性能の改善(高加速化、高減速化、高速化)、編成当たりの車両数増強、車両構造の見直し、列車群管理、駅構造の見直し、ダイヤ改正などさまざまな方法が試みられており、それぞれ一定の成果を上げている。しかし、これらはいわゆる輸送力の増強を図るためのものであり、旅客輸送の快適化に不可欠な輸送力と旅客需要の均衡を目的とする方法については十分に検討されていない。 そこで本研究では、従来は比較的着目されていなかった乗客の流れに着目し、これを誘導・制御することにより、高密度運転線区における乗降時間の短縮、列車遅延の防止を行う手段について開発、検討することを目的とする。これは輸送力と旅客需要の不均衡を極力少なくすることにより、高密度輸送の快適化を推進しようとする新しい試みである。 表1.1に高密度輸送快適化の実現手段と今までの研究開発事例をまとめる。また、図1.1にそれらの関運を図示する。
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