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第5節 堀川運河からの景観

 

【河川景観の特質】
油津は堀川運河とともにあった。堀川運河の建設がなければ油津地区の形成は違ったものになっていただろう。すなはち、油津は堀川が創ったといって過言ではない。
その成立に深く関わったものこそ、歴史的環境にふさわしい。ここではその景観について言及しておこう。
人間の生活や聚落の経緯に川が関わっていない例はまれである。それはおおげさに言えば命を司っていた。水はもちろん、魚やその他の食料資源であり、交通機関であり、経済活動のばであり、戦いのおりは町を守る堀となり災害時には命を守る避難場所ともなる。
社会経済的意味とは別に、川は都市にあってのオープ
ンスペースでもあって、開放感をあたえるものであり都市生活に潤いを与える重要な役割を果たしている。その心理的作用は主として景観から得られている。

 

【河川景観を構成するもの】
河川景観を構成するものはいくつか指摘できる。
第1に、川でなければならない。汚れて水の流れないものであっては意味をなさない。堀川は海水のためか比較的きれいである。しかしまだ努力の余地はある。
第2に、水と陸との接点である。水に近づけない川の魅力は半減する。水面に触れることができたほうが良い。岸辺に降りるための石段は良い。基本的には川下側に降りるということを作法として教えてくれる。護岸の石積とセットで保存するべきであろう。
また、岸辺の緑は川の姿をやわらげてくれる。

 

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写真309 運河の景観1

 

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写真310 運河の景観2

 

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写真311 運河の景観3

 

 

 

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