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第4節 町並みの景観

ここでは油津の町に見られる歴史的建造物を中心とした町並みの景観的特質について述べる。
町並み景観を構成する要素はいくつか指摘できる。

 

【歴史的建造物】
油津はたくさんの歴史的建造物を保有している。この調査によってそれはゆるぎないものになるだろう。
明治以降の近代建築がたくさん存在するのが特徴である。近代洋風建築に限らず近代和風建築も豊富にある。それが、ひとつの地域にまとまって残っていることも特徴であろう。そうした地区は群としてのまとまりを損なわないように注意して保全の方策をたてるべきである。

 

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写真277 杉村家住宅

 

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写真278 杉村家住宅の軒

特に上町地区は、地域的保存地区の対象であろう。
銅板を壁面にまとった杉村金物店・や煉瓦造の倉庫が際だっているが、近代和風建築や、土蔵などもあり面白い。
海岸地区にも洋館や石倉を改造した店舗などがあり、なかには杉村商店の銅板壁が伝搬したと思われる住宅もあって興味深い。
民家では海岸地区に漁家に由来するとかんがえられる住居や商店が見られる。
こうした歴史的建造物の全体的拡がりを、地域的保存地区と関連づけて残せれば油津地区全域の価値を高めることになる。

 

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写真279 洋館

 

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写真280 洋風の町家

 

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写真281 石造の町家

 

 

 

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