日本財団 図書館

共通ヘッダを読みとばす


Top > 歴史 > 地理.地誌.紀行 > 成果物情報

自然と文化(1996・53号)

 事業名 観光資源の調査及び保護思想の普及高揚
 団体名 日本観光振興協会 注目度注目度5


 

[連載]兜跋毘沙門天の居ます風景……北進一

アナトリアの地母神

私の兜跋毘沙門天に関する連載は、ここで大きく西のアナトリア平原(小アジア、現在のトルコのアジア地域)に飛ぶ。むろん兜跋毘沙門天は仏教の神なので、仏教が伝播していないアナトリアに話をもって行くのはいささか場違いかもしれない。しかも、時代は紀元前六五〇〇年頃と途方もなく遡る。だが、前回で言及したように兜跋毘沙門天(図@)は毘沙門天と地天女=地母神が合体した点が非常に意味をもつので、地母神信仰の盛んなアナトリアに目を向けてみることにした。
地母神とは、大地の生命力を人間に付与する機能または存在に対する信仰から生まれた女神で、この信仰は人類史上最古でもっとも普遍的な宗教活動の一つとされる[注@]ゆえに世界各地で地母神信仰が見受けられる。その中でもアナトリア平原は、紀元前六五〇〇年頃から紀元前五七〇〇年頃までの新石器時代の人々の居住址を示すチャタル・フュックを先駆けとして、地母神信仰が脈々と受け継がれていった地域である。アンカラのアナトリア諸文明博物館には、このチャタル・フュック出上の最古の地母神とされるテラコッタ(焼成粘土)像(図A)が展示されているが、まさにこの像は私にとって兜跋毘沙門天の地天女を彷彿とさせる。地母神様は高さ二〇a程の小さなもので、二匹の豹(leopard)を肘掛けとした玉座(岩座)の上に坐っており、身体は尻や腿や腕がでっぶりと重厚に造られ胸や腹は特に強調され垂れ下がっている。女神の母性と豊穣性をこれほどまで強烈に表す図像は他に例を見ないが、さらに興味深いのが地母神の両脚の下に小さな人物像が彫出されている点

054-1.gif

@東寺の兜跋毘沙門天像
Aチャタル・フュック出土の地母神像
(アンカラ・アナトリア諸文明博物館蔵)
Bチャタル・フュック周辺風景

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






サイトに関するご意見・ご質問・お問合せ   サイトマップ   個人情報保護

日本財団会長笹川陽平ブログはこちら



ランキング
注目度とは?
成果物アクセスランキング
933位
(31,472成果物中)

成果物アクセス数
10,318

集計期間:成果物公開〜現在
更新日: 2019年9月14日

関連する他の成果物

1.自然と文化(1996・52号)
2.自然と文化(1996・54号)
3.舞鶴赤煉瓦建造物群調査報告書
4.白馬桃源郷青鬼の集落?長野県北安曇郡白馬村?
5.油津の町並みと堀川運河
6.「観光資源の調査及び保護思想の普及高揚」の報告書
7.平成8年度観光通訳研修会開催のお知らせ
  [ 同じカテゴリの成果物 ]


アンケートにご協力
御願いします

この成果物は
お役に立ちましたか?


とても役に立った
まあまあ
普通
いまいち
全く役に立たなかった


この成果物をどのような
目的でご覧になりましたか?


レポート等の作成の
参考資料として
研究の一助として
関係者として参照した
興味があったので
間違って辿り着いただけ


ご意見・ご感想

ここで入力されたご質問・資料請求には、ご回答できません。






その他・お問い合わせ
ご質問は こちら から