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自然と文化(1996・53号)

 事業名 観光資源の調査及び保護思想の普及高揚
 団体名 日本観光振興協会 注目度注目度5


 

かないと思うんです。悲劇的な目に遭う前に、私たちの子孫のために、早めに手を打つ。どういうことかと言うと、すべての主権国家が自分の国の食料は自分の国の知恵と努力で自給するということを国際的なルールにすることを早く提言すべきだと思っているんです。そんなことを言うと、アフリカの今飢餓に悩んでいる国はどうするのだという問題があります。それは別途の対策をしたらいいことです。ただ、私たちが今、来年からそうするって言ったってできっこないんですから、早めに国の食料は自給をするという体制を早くGATTの場なりで言い続け、あるいは日本の国内で消費者に対して政府がそういう提言をしてゆく。そういうことをやらないと、まったく手遅れになるだろうと思いますね。
この中に書きましたけれども、日本は今、エネルギー自給率が、五割ぐらい、穀物の自給率が三割というのは、世界の北進国でも日本だけですね。
谷川……そうですか、他の国はどうですか。
渡部……イギリスは一〇〇パーセント、アメリカはもちろん一〇〇パーセント以上。穀物は、フランスが八〇、ドイツも東西一緒になって、やっぱり。八〇ぐらいでしょう。
谷川……向こうは自由化はしているんですか。
渡部……していてもそうですね、それぞれのキーワードの生産を大事にしている。
それぞれの民族にキーワードというのがあるわけで、フランスはぶどう酒かもしれませんし、ドイツはジャガイモかもしれませんが、日本はもう明らかに米だと思うのです。少なくともキーワードは自分の国で生産するということにしませんと、生産者は精が出ませんね。フランス人が飲むぶどう酒がドイツからきているのでは、フランス人がかなわないのと同じように、日本だって同じことだと思うんです。
谷川……それは誇りというか、氏族につながっていく、自分たちがこういう文化を育てたということになりますからね。
渡部……正直言って、学者がこんなことを言ってみても、おそらく蟷螂の斧みたいなもので、現実の政策には大した力を持ちえないことはわかっているんです、、しかし、といって、学者が何も言わないというのも情けない話で、これは農学者だけが言っても駄目だと思うんですわ。むしろ政治学打だとか祉会学者だとか、あるいは民俗学者なども含めた広範な声として、日本の林業やら農業をちゃんとしていかないといけないというような輿論が起きないといけないと思うのですが。
谷川……やっぱり文化の問題ですよね。どうですか、渡部さんが中心になれば、かなり広範にいろんな分野の人が集まる可能性はあると私は思うんです。それは今おっしゃったように無駄かもしれないけれども、やらないといけないことですよね。
渡部……もう遅いのかもわかりません、
谷川……いや、しかしね、渡部さん、運動というのはすべて遅すぎるところから始まりますから。私も、一九六二年に始まった地名改変、地名改悪でもう大半は変わっていました。それから一八年目に地名を守る会を作りました。だけれども、あれを作ったことによって、それ以後の進行を遅らせたということで、だいぶ効果はありました。ですから、何か取り返しがつかなくなってから、はじめて運動は起こるんですね。その前には気がつかないわけです、稲の問題も嘆かわしいことに尽きるのですが、なにかをやっていかなくてはいけませんね。今日は長らく有難うございました。

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