日本財団 図書館

共通ヘッダを読みとばす


Top > 歴史 > 地理.地誌.紀行 > 成果物情報

自然と文化(1996・53号)

 事業名 観光資源の調査及び保護思想の普及高揚
 団体名 日本観光振興協会 注目度注目度5


 

014-1.gif

同時に、他の作物に比べてステイブル(Stable)です。収量が余計とれるということだけではなくして、一〇年にいっぺん、二〇年にいっぺんの凶作はありますが、これが麦や雑穀だったらもっと頻繁に不作、凶作の凸凹が多い。そういう意味で、ステイブルであるということが日本人が主食に選んだ大きな理由です。もちろん根底には何と言っても旨さが全然違うということですね。
中尾佐助さんがよく言っていましたが、世界の麦作地帯で麦をやめて稲を作って米を食うという地域はかなり増えている、例えばイラクやイランが、それからウクライナあたりらそうだと。戦後日本は逆に米をやめて麦に転換しためずらしい実験をしている民族だという。
谷川……伺いたいのは、ステイブルというところに忌地性がないということもあるんですか。
渡部……そうです。水を入れて栽培することによって連作ができるということです。麦もできないことはないんですが、あまり長く耕作していると、やはり収量が減ってきます。
谷川……籾種を管理して、それを一定の土地に長く植えていた信濃川の流域では、籾種をスジと呼んでいるのですが、家筋という語もそれから来たんだということを柳田さんは言っています。それとつながるでしょうね。忌地性がないということは、同じ田んぼで何十年と耕作するのですからね。
渡部……スジで思い出すのは、佐渡島へ調査へ行った時のことです。酉のほうへ突き出した棚田の地帯で、毎年田植えする時に海に向かって、棚田を作ってくれた知るかぎりの先祖の名前を呼ぶんだと。言っていました。何の誰兵衛、何の二郎作など、知っている先祖の名前を叫んでから田植えするんだと地元のお百さんは言っていましたけれども、これもスジのなせるわざでしようか。私の知っているのは、佐渡のそのお百姓さんだけが、本米はみんな胸の中にその気持ちはあったのでしょうね。
谷川……久米島に仲原善忠という民俗字者がいて、そのお兄さんの中原善秀という人が『久米島諸語』を書きまして、そこに棚田を作る時の苦心談を薄いています。それが大変な苦労なんです。要するに水のないところに水を作るわけですからね。
渡部……一代で一枚か二枚作るんでしょうね。海岸から石を運ぶ人は大変な労力です。今は久米島にはほとんど稲はないんですよ。水田を潰しちゃっているんです。
谷川……昔の人の稲に対する愛着と言いま

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






サイトに関するご意見・ご質問・お問合せ   サイトマップ   個人情報保護

日本財団会長笹川陽平ブログはこちら

日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION



ランキング
注目度とは?
成果物アクセスランキング
892位
(32,679成果物中)

成果物アクセス数
11,505

集計期間:成果物公開〜現在
更新日: 2020年11月28日

関連する他の成果物

1.自然と文化(1996・52号)
2.自然と文化(1996・54号)
3.舞鶴赤煉瓦建造物群調査報告書
4.白馬桃源郷青鬼の集落?長野県北安曇郡白馬村?
5.油津の町並みと堀川運河
6.「観光資源の調査及び保護思想の普及高揚」の報告書
7.平成8年度観光通訳研修会開催のお知らせ
  [ 同じカテゴリの成果物 ]


アンケートにご協力
御願いします

この成果物は
お役に立ちましたか?


とても役に立った
まあまあ
普通
いまいち
全く役に立たなかった


この成果物をどのような
目的でご覧になりましたか?


レポート等の作成の
参考資料として
研究の一助として
関係者として参照した
興味があったので
間違って辿り着いただけ


ご意見・ご感想

ここで入力されたご質問・資料請求には、ご回答できません。






その他・お問い合わせ
ご質問は こちら から