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中国雲南省イ族[者柯哨村]のタイマツ祭り…訳・星野紘 李友華

者柯哨村の地理環境

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五日目の夜、最高潮を迎える。タイマツに火が灯された

 

双柏県者柯哨村は哀牢山々中の中央部白竹山の麓に位置している。茶花簣、河尾、古周河、楊梅樹、者柯哨(ソバを守り育てる者の住む地という意味)など一五の自然村が大漂子山の麓に分布しており、全村で一七〇月余の家、千人近くの人口を有しており、そのうち九六パーセント以上がイ族である。イ族はニス・ロウ系統であり、一〇戸近くある漢族の家の者も皆その系統のイ族の言葉に通じている。日常生活での常用語はそのイ族の言葉であり、市の立つ日、年中行事、祝い事の時には男女とも民族服に身を包む。女性は花模様の刺繍をほどこした白い襟の服を着て、足の甲の割れ目部分が尖り、かかとに花模様の刺繍をほどこした靴をはいている。若い女性の多くは虎頭のヒョウタン帽をかぶり、中年婦人は四方形のスカーフをかぶり、腰には花模様の刺繍をほどこしたエプロンをする。男子の多くは黒か白の帽子をかぶり、火草またはノロジカの皮の襟の付いた上衣を着る。(地図は56頁参照)ロウの人々は狩りが好きで、かっては焼畑農耕を行い、ソバ、粟、トウモロコシの類いを作っていたが、現在は稲作を行っている。

 

 

 

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