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クルーズ・リポート

世界No.1に輝いた超豪華船でいく

とびっきりリッチな南仏クルーズ
前回は南極探検クルーズを御紹介しましたが、今回は180度ガラッと趣向を変えて―アメリカの権威ある旅行雑誌「コンドネスト・トラベラー」で'92〜'94、3年連続で世界一に選ばれたシーボーン・クルーズラインによる、優雅な南仏のコートダジュール・クルーズへ御案内します。
ここはモンテカルロのグランカジノ。宮殿と見まちがう程の外装と室内装飾は豪華絢爛で、パリのオペラ座を設計したシャルル・ガルニエの傑作だ。イブニングドレスのマダムは、家が一軒建ちそうなネックレスを身につけ、隣の太っちょオジサンは私の賭け金の100倍でルーレットに興じている。「何だか世界が違うなぁ。」と感じつつも、1万円そこそこ儲けたら気分はしっかりリッチの仲間入り。
プレステージが日常のモナコでは、誰をも夢の世界へと招いてくれる。F1グランプリのコースをたどっていると、純白のロールスロイス・コンバーチブルとすれ違った。運転しているのは、なんとTシャツ姿の金髪美女!あまりのカッコ良さに思わず見惚れてしまった。(といっても一瞬の出来事だったが、)こんな映画のような1シーンも、さすがこの街にはピッタリ溶け込んでいて自然。
すっかり華やいだ気持ちで乗船すると、エレガントな船内とパーフェクトなサービスは、高揚した心を失望させる事なく、五感を満足させてくれる。船上はさながら洋上の社交界のようで、品の良い素敵なカップルが多い。
1万トンと客船としては小型な「シーボーン・スピリット」は、全室がスイートルームで、至れり尽くせりのおもてなしや、グルメを唸らせる食事には定評がある。船上でのんびり、極上の一時を過ごしたい方にお勧めの一船。

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シーボーン・スピリッツ号船内「オーナーズスイートタイプE」

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コートダジュール
一日の始まりは、最上階にあるラウンジからスタート。搾り立てのオレンジジュースを飲みながら、前方に絶え間なく広がる大海原を眺めていると、心から「今日もしあわせ。」と思う。寝ている間に、船は次の目的地に向かっている。一度スーツケースを開けたら、下船するまでキャビンは自分の部屋。荷物をまとめたり移動する手間も労力もなく、楽チンそのもの。
おっと、そろそろカンヌへ入港の時間だ。色々迷った結果、オプショナルツアーは、中世の面影を残す村「サンポール・ド・ヴァンス」を訪れる事にした。各寄港地では、船側が企画手配している様々なツアーが用意されている。ゆっくりしている暇もないくらい、案外忙しい。
丘陵上に開けた城塞都市は“鷲の巣村”と呼ばれ、車の侵入を拒む細く狭い石畳の道は、緩やかに上がり、不意に曲がり勝手に下がる。まるでおとぎ話の世界に潜り込んだような可愛さで、とってもキュート。
ピカソが常宿にしていたコロンブドールには、宿賃代わりに置いていった絵がおもむろに飾ってあり、調和のとれた絵のように美しい村は、多くの芸術家達にこよなく愛されている。
船に戻る前にカンヌの街を、映画祭の会場「パレ・デ・フェスティバル」を皮切りに、海沿いの大通りを散策。洗練された町並みは、世界の著名人を迎えるに相応しい貫祿さえ感じられた。

 

 

 

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