
のり網へ乗揚げて航行不能となった船舶、そして機関故障を起こした2隻の船舶、計4隻がBANを利用しております。 利用者の話も好評で、BANシステムの強化と、マリンレジャー等関係者の有効利用を期待しております。 
巡視艇こすもす左より、船長・岸本 実、機関長・酒巻 和雄、航海士補・河村 成重、航海士補・浜野 恭豊、機関士補・長谷 聡徳 日本水難救済会 神奈川県支部
観音崎救難所 当救難所は世界一の交通量を誇る東京湾浦賀水道の中央に位置する横須賀市の観音崎にあります。救難所からは対岸の千葉県富津岬まで約6マイル浦賀水道航路までは約1マイルという至近距離にあり、通行船舶の詳細な動行をも視認することができます。東京・横浜・千葉方面等からのプレジャーボートが、今では四季を通じて目前を航走するようになってきています。観音崎は県立公園でもあり、海水浴や磯遊び等観光客が大勢集まる地域でもあります。 当救難所の母体である(有)トライアングルは、昭和61年に現在のBANと同じ様なシステムの海難救助業を始め、ヨットレース・海洋調査・海洋工事等の支援を目的として設立されました。横須賀沖の潜水艦「なだしお」事故や数々の救助実績が日本水難救済会にも認められ、民間会社として初めて、平成2年10月に承認設置されました。設置から平成8年12月までに、救難所としての救助件数は44件になりました。 
救助船“フェニックス3”向かって右より泉谷博道所長と所員 BANからの海難情報での救助船出動が一番多いのですが、トライアングルが行っている横須賀(三笠)〜猿島航路航行中、警戒調査作業等に従事中又、猿島海水浴場パトロール、救難所からの監視あるいは海浜パトロールなどでの各種業務を通じての現認救助も何件かありました。たとえば平成3年4月当救難所から監視していたところ、4名乗組の小型ヨットが沈没後約1時間漂流していたのを現認し、寒さで体が動かなくなっている乗組員を救助船にて救助。平成7年12月猿島航路三笠桟橋近傍の岸壁から婦人1名が乗った乗用車が誤って海中転落したのを現認し、救助員が着衣のまま飛び込み水面下に没した車中から婦人を救助したものなどがあります。 当救難所救助員はトライアングルの社員を中心に15名が委嘱されております。人数は少ないのですが、一級小型船舶操縦士12名、潜水士5名、安全パトロール指導員5名、ライフセーバー3名、救命技能検定4名、特殊無線技士甲8名等、救助作業に必要な各種技能を取得しております。救助船はトライアングル所有の船舶8隻を使用しており毎年行われる日本水難救済会神奈川県支部の救助訓練や日々の職務を通じて、何時でも敏速な救助活動ができる様平素から訓練しております。なお、プレジャーボート等の多数出動が予測される日などは救助船を移動配備し、5分後には出港できるよう準備しております。 横浜に日本最大級の2千隻収容のマリーナができ、横須賀市浦賀にも平成8年度600隻収容のマリーナがオープンするとの事。その中心に位置する救難所として、あまり救助活動が頻繁に行われない事を祈ってやまないこの頃であります。
前ページ 目次へ 次ページ
|

|