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片男波海水浴場があり夏場は、海洋レジャーが盛んになり水上オートバイ等による事故も多発する。
巡視艇きいかぜは、担任海域を哨戒し、友ケ島における交通整理、各種船舶に対する海難防止指導等につとめている。

お知らせと注意事項

◇友ケ島水道は、船舶交通の要所であり、水路の確保のため、水路中央付近での魚釣りは避けて下さい。
◇友ケ島水道周辺には、漁業育成のため漁礁を設置した、つきいそ漁業権漁場なるものが23か所点在することから、漁船とのトラブルのないようお願いします。
◇紀伊水道は、南よりの強い風が吹けばうねりが打ち寄せ、大阪湾内とは一変した海上模様となっている場合が多々あります。
◇紀伊水道は、春、秋には、しらす漁の船びき網漁船が集団で操業し、通行船舶との事故も多発している。

日本水難救済会福良救難所

南淡町は、淡路島とその南方に位置する沼島からなり、北緯34度16分で兵庫県の最南端に位置している。東は洲本市と紀伊水道に面し、南は太平洋を臨み、西は鳴門海峡を経て四国に対し、北は西淡町、三原町と接している。
東西20キロメートル、南北11キロメートル、総面積87.01平方キロメートルの町域で三方は海に面している。
当救難所の所員は、消防団員と漁業者で構成され、福良漁業協同組合の中に福良救難所が設置されています。

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日本水難救助会・福良救難所所長 波戸崎 久

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福良救難所本部
救難艇として特別な船は有りませんが、地域の海域に最も詳しい若い漁師さんが所員なので、救助活動ではチームワークと的確な判断が出されます。
当地域は、昔から船員達には海の難所として知られる鳴門海峡に最も近く、私の知る範囲だけでも、大きな海難事故は、多数発生しています。船の性能が随分向上した今日でも、大潮の時分には、慣れた人でも緊張する海域です。また水上バイクの無謀運転が原因で、海峡で二人死亡したのもまだ記憶に新しい事です。
今年の春、45歳前後の二人が夜釣りをするため、鳴門海峡に近い陸から30m位の磯に夕方ゴムボートで渡り、釣を楽しんでいたところが、春の天候は変わりやすく夜中過ぎから南風が吹き初め、うねりが出てきて磯を洗い始めた。
二人は、岸側の磯の陰に隠れ波をさけていた。朝方5時ごろ漁に出ていた人から救難所の連絡先である漁協の方に救助依頼があった。早速4名の所員が漁船で出動、現場までは5分位の近場であったが、折からの強風で磯に船は着けられず、浮輪をロープにしばり磯に投げ体を縛る様指示をしたが、救助するときロープがはずれ波にさらわれたが、直ぐ波間に浮かび上がってきたので、所員が磯から離れるよう指示し浮輪を使って助け上げた。もう一人はスムーズに救助が出来たが、長時間波に洗われたのと心労で二人は疲れ切っていたが幸いケガはなかった。二人は、予想以上の大波になったが、磯の陰に隠れる場所があったからじっと救助が来るのを待っていたと言っている。
この地域は、船舶事故の外、このような釣人による磯での事故がよくありますが、大勢の人に迷惑がかかることを認識し、安全に海に親しんで欲しいと思います。

 

 

 

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