
法による新法「国際航海に従事する日本人船員が乗り組む日本船舶確保法」(仮称)の成立を想定していた。しかし、立法上の条件(国民の権利義務に直接的な関係があるものや単純に補助金の交付を目的としないもの等)を必ずしも満たしていないことから、新たな立法化は時間がかかり困難と判断し、海上運送法の一部改正でとりあえず対処する方針に切り替え、平成8年2月13日に閣議決定の上、国会に上程された。 なお、国際船舶への日本人船員配乗促進事業費として、6億円の要求が計上されたが、その計算根拠は次のとおりである。 ?@維持されるべき日本籍船の数は225隻とする。 ?A配乗する2人の船・機長及び次代の船・機長としての育成船員1.2人として、計3.2人 ?B日本人船員とアジア人船員との年間コスト差を一人当たり1,000万円、助成率は25%とする。 ?C4/12ヵ月分の要求とする。として、3.2人×1,000万円×225隻×25%×4/12ヵ月分=6億円 (1隻当たり6億円÷225隻=267万円、年間18億円÷225隻=800万円) 2.国際船舶制度の施行
第136回国会において、海上運送法の一部を改正する法律が成立し、平成8年6月21日に公布、同年10月1日から施行され、国際船舶制度がスタートすることとなった。 海上運送法の一部を改正する法律案に対して、次の付帯決議が行われた。 [衆議院] 近年の急激な円高の進行等により我が国外航海運の国際競争力が低下した結果、日本船舶及び日本人船員の数は急激に減少し、深刻な事態に立ち至っている。我が国にとって安定的な国際海上輸送力を確保することは、海洋国家として不可欠な重要課題であり、政府は早急に次の事項につき措置を講ずべきである。 (1)日本船舶と日本人船員の減少を防止するためには、我が国外航海運の全体的な基盤強化が急務であり、政府は関係者に一層の努力を求めるとともに、国際競争力強化のための有効な施策を講ずること。 (2)我が国の国民生活・経済活動の安定、海上輸送における安全性と技術の確保、海洋環境の保全等の観点から、我が国船員の優秀な技術を今後とも維持していくことが必要であり、そのための有効な施策を講ずること。
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