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3.3. 液状化特性評価方法の総合的検討

 固体ばら積み物質が液状化物質であるか否かを判定する方法としては、幾つかの原理が考えられるが、3.4節に述べる通り、最終的には、「通常の排水状態において、液状化が発生する様な水分を保持することができない物質は、航海中に液状化する恐れが無い」という考えを採用した。この考えに基づき、本研究では、粒度分布に基づく液状化物質のクライテリア(3.5節参照)を決定し、液状化物質判別試験(Liquefaction Potential Test)(3.4節参照)を開発した。本節では、これらのクライテリアや試験法を用いた「液状化物質判定の基本フロー」及び液状化物質判別試験結果の適用範囲について述べる。

 

3.3.1. 液状化物質判定の基本フロー
 固体ばら積み物質か液状化物質か否かを判定するための流れを、図3.3.1.1に示す。図中の各分岐を判定するためのクライテリアについては、3.4節及び3.5節を参照されたい。

 

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図3.3.1.1 液状化物質判定の基本フロー(H8)

 

3.3.2 液状化物質判別試験の適用範囲
 液状化物質判別試験により、一つの固体ばら積み貨物が液状化物質では無いと判定されたとしても、その結果を適用できる範囲が明らかにならない限り、同種の物質であっても、運送の都度、試験を繰り返す必要が生じる恐れがある。そのため、液状化物質判別試験結果の適用範囲を明らかにする必要がある。そのため、試験結果の適用範囲を決定するためのパラメータを選定し、そのクライテリアについて調査した。

 

(1)パラメータの選定
液状化物質判別試験の適用範囲(物質の同等性)を規定するためのパラメータとして

 

 

 

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