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基調講演

『ボランティア団体の社会的役割と目立』

マイアミ「タイムダラー」所長アナ・ミヤレス
司会 それでは、さっそくプログラムの第1部に入ります。基調講演の第1部は「ボランティア団体の社会的役割と自立」と題しまして、アナ・ミヤレスさんにご講演をいただきます、アナ・ミヤレスさんは、アメリカのフロリダ州・マイアミを中心としてタイムダラー方式、日本語で申しますと時間預託方式のボランティア組織である「タイムダラー」のマイアミ所長として活動され、タイムダラーの普及のため、全米各地で活躍されております。なお、アナ・ミヤレスさんの詳しいプロフィール等にっきましては、本日お配りしている資料をご覧ください。また通訳はヘロン久保田雅子さんにお願いいたしております。ヘロン久保田さんはアナ・ミヤレスさんの親しいご友人でもあり、愛媛県関前村でタイムダラーを導入した実績もおもちの方でございます。
それでは、アナ・ミヤレスさん、ヘロン久保田雅子さんよろしくお願いいたします。
皆さん、こんにちは。まず皆さんに、アナ・ミヤレスが、どのような人物なのかということをお話ししたいと思います。私は銀行に24年間勤めたあと、1987年の12月に友人の市民活動家にタイムダラーのことを紹介され、それ以来8年間、マイアミでタイムダラーを運営しています。銀行員のときは高給でしたし、大きい家と車をもち、裕福な生活をしていました。ボランティアの運営を仕事に選んだ後は、給料も減り友人から「なぜボランティアをするようになったのか」ということを聞かれます。銀行の仕事をしているときは精神的にかなりのプレッシャーがありましたが、今はそれがありません。タイムダラーは社会・コミュニティを大きく変えるシステムで、マイアミや全米各地の地域の人たちと交流することもできます。私自身、母であり、主婦であり、企業の役員である以上に、人間として何かをしなければいけないということを考えておりましたので、今私がしていることは、その部分を満たしてくれています。
●タイムダラーのシステムと特徴
タイムダラーについて説明したいと思います。私が今、全米を回って支援活動をしているタイムダラーというのは、とてもシンプルなシステムです。これは従来あるボランティアグループをネットワーク化する力があります。内容としては、誰がするサービスも1時間1点とし1クレジットとします。お互いがもっている才能をサービスにして交換しあいます。サービスは会員間で通用する通貨(クレジット)で買うことができますし、誰かに

 

 

 

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