日本財団 図書館


 

基調講演

 

『ボランティア団体の社会的役割と自立』

 

マイアミ「タイムダラー」所長 アナ・ミヤレス

 

●タイムダラーは新しいボランティアシステム

 

「みなさんこんにちは」今のところ私が知っている日本語です。このシンポジウムが終わったら、もっと日本語の勉強をして、話せるようになりたいと思います。
まず、私自身のことについて話をしたいと思います。私は長年銀行で働いていました。自分で言うのもおかしいですが、ある程度の地位を獲得していましたし、大きな家、車、資格、そういったものは全部持っておりました。
ある日、銀行での経験を生かして新しいシステムのボランティア「タイムダラー」をマネージメントして欲しいという依頼がありました。それで1年間サバティカルリーブを取りました。サバティカルリーブというのは10年以上勤めますと、有給で(75%程度の給料を貰える)1年間の休暇が取れるのです。私はタイムダラーのマネージメントの手伝いをするために1年間休暇を取ったのですが、気がついたら8年間経っておりまして、現在はタイムダラーの所長をしています。
タイムダラーの所長をして、私が学んだことは「愛」が形作られるということです。まずマイアミのケースをお話し、タイムダラーというシステムを取り入れてどういうふうに街が変わっていったかということもお話したいと思います。
「タイムダラーとは何ですか?」という質問が出てると思いますが、タイムダラーは従来アメリカにあったボランティア制度とはちょっと逢っています。とてもシンプルで単純なシステムで、サービスとか自分の持っている才能などを1時間1点として、お互いに会員同士で交換をし合うシステムです。皆さんもご存じだと思いますが、アメリカでは各地でボランティアが盛んです。ボランティアをしている人口も多いのですが、個々で活動している場合が多いのです。タイムダラーというのはこのシステムを通じていろいろなボランティアを結びつけるといった役割もしています。タイムダラーというのは福祉ボランティアではありませんし、一方的に施しをするチャリティでもありません。お互いがお互いを助け合う相互扶助のシステムで、新しい革新的なプログラムだと思っています。タイムダラーではどんなプログラムでもお互いに交換できますし、何人からでも出来るのです。まず会員を集めるわけですが、会員がお互いにやりとりした時間というのは全てコンピューターの中に入れてあります。

 

●タイムダラーは地域や人を活性する

 

よくタイムダラーの仕事というのは専門家の仕事、例えばホームヘルパーとかソーシャ

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION