基調講演 『ボランティアへの期待』 守口市長 喜多 洋三 皆さんこんにちは。今日は朝から非常に悪い天候にかかわらず、こうしてたくさんお越しになりました。深く感謝いたします。(社)長寿社会文化協会のお陰で、このようなシンポジウムが守口市で開かれますことに心から感謝いたします。またこのためにアメリカからマイアミ「タイムダラー」の所長でいらっしゃるアナ・ミヤレスさんに守口市においでいただき感動いたしております。 アメリカがボランティアの先進国であるということはすでに皆さんご存知のことと思います。ボランティア立国とも言われています。私としては時宜を得た講演ではなかったかと思っています。 ●日本のボランティア活動に変化が ところで、日本におけるボランティア活動はどうなっているか、私があえてここで申し上げるまでもなく皆さんはよくご存知だと思います。私たちの記憶のなかで一番大きく残っているのは阪神・淡路大震災です。95年の1月17日の早朝でしたが、犠牲者の数が5500人を超える大惨事となりました。 この大震災の発生後、その内容が報道されますと、日本全国から支援ボランティアがぞくぞくと兵庫県目指してやってきました。なにしろ関西地方では地震がないと言われていましたし、私自身も消防経験が8年ありますが、そう思っていました。当然、事前の備えは何もなかったので、現場では大変な混乱を生じていたことは容易にご想像できることと思います。しかし、全国からボランティアがぞくぞくと押し寄せてまいりました。学生からサラリーマン、主婦等大勢の参加者がありました。これらのボランティアの活動状況はテレビ、新聞等マスコミを通じてお知りになったとおりでございます。 このことは近年の災害に見られなかった新しい社会現象だと考えています。今までは各地で災害が発生しますと、災害状況に応じて救援物資や救援金を集めて送金するというのが主体でした。今回の阪神・淡路大震災に見られますように、大勢の人達が支援者となって被災地に押し寄せるということはかつてなかったわけです。そういう意味では日本のボランティア活動のひとつの転換期という大きなタイミングになったのではなかろうかと思います。この阪神・淡路大震災に関しまして、守口市役所からも延べ2000人を超える人たちが現地へ行っていろいろな活動をしてまいりました。勿論役所以外でも、たくさんの市民の方々が休暇をとって行かれました。今だに時間があれば行って炊きだしをしているという方もおられます。
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