日本財団 図書館


 

基調講演

 

『ボランティア団体の社会的役割と自立』

 

マイアミ「タイムダラー」所長 アナ・ミヤレス

 

みなさん「こんにちは」と「こんばんは」が私が言えるふたつの日本語です。みなさんにお会いできてとても嬉しいのですが、特に1995年のちょうどいま頃、安宅市長がマイアミのタイムダラーボランティアを見学にいらっしゃいましたが、その際十分お話ができなかったので、今日また再会することができてとても嬉しく思っています。
私は24年間銀行家として生活をしまして、その後「タイムダラー」というボランティア活動を始めました。銀行マンとして成功しておりましたし、副頭取をしておりましたのでいい給料を取っておりました。ただボランティアをやり始めて本当に楽しく充実感がある生活が送れるということで、以後タイムダラーに関わり、運営に携わっております。

 

●タイムダラーのシステムと役割

 

タイムダラーについてお話しいたします。皆さんは時間預託ということをとても複雑にお考えだと思うのですが、タイムダラーはとてもシンプルです。タイムダラーは新しいシステム、新しいボランティアの形です。お互いがお互いのサービス、それから才能を交換し合うところが基本になっています。1時間サービスをすることによって会員の中で1時間のクレジット(点数)が貰えます。そのクレジットを交換し合って自分が必要なときに必要なサービスを受けられるというごくごく簡単なシステムです。このタイムダラーをすることによってマイアミでは人々が活気を取り戻しましたし、お互いがお互いを助け合うこともしていますし、今まで埋もれていた多くの人の才能を再発掘することもできました。またタイムダラーによって今まで崩壊していた地域が再び共同体として機能することになりました。若い人たちが引退、定年退職後のお年寄りの人達と協力をして仕事をすることで異世代間の交流もできるようになりました。
タイムダラーは先程も申しましたようにいろいろな意味がありますが、それに加えて今までばらばらに行動していたボランティアたちを一緒に活動させる機能を持っています。アメリカにはいろんなボランティア団体があるのですが、バラバラに活動をしています。時にはお互い反発しあって活動しているというようなことがありますし、情報の交換もあまりできていません。先程タイムダラーはボランティアグループを一緒にして情報交換したりすると言いましたが、このシステムは行政、

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION