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基調講演

 

『ボランティア団体の社会的役割と自立』

 

マイアミ「タイムダラー」所長 アナ・ミヤレス

 

司会
それでは、ただ今から基調講演に入ります。アナ・ミヤレスさんに「ボランティア団体の社会的役割と自立」と題した講演をお願いいたします。
ここで講師と通訳の簡単な紹介をいたします。講師のアナ・ミヤレスさんはアメリカフロリダ州マイアミを中心とした時間預託方式のボランティアである「タイムダラー」の所長として活躍されています。またタイムダラーの普及のために全米各地を走り回っておられます。アナさんはもと銀行の副頭取をされ、8年前(88年)からこのタイムダラーでの活動に専念されておられます。
通訳はヘロン久保田雅子さんにお願いいたします。ヘロンさんはアナ・ミヤレスさんの親しいご友人でいらっしゃいますとともに、愛媛県の関前村という過疎地でタイムダラーを導入された実践家でもいらっしゃいます。それではアナさん、ヘロンさんを盛大な拍手でお迎えください。

 

皆さん今晩は。本当は日本語でご挨拶できればいいのですが、次に来るときには、でるだけ日本語でご挨拶できるようにします。まず皆さんにお話ししたいことは、私が今進めておりますタイムダラーは、従来のボランティアグループとは違うということです。タイムダラーは、ボランティアグループを一緒につなぐシステムであるとお考えください。アメリカにはいろいろなボランティアグループがありますが、その中には排他的で相手を理解しなかったり、自分たちのグループだけがボランティアをしている、そのようなケースが数多くあります。そのようなバラバラのボランティアを一緒につなげる役目が私たちのタイムダラーです。私たちのシステムはとても革新的なもので、数々の新しいソーシャルサービスの形を生みだしています。これは人々の考え方を自由に創造し、思いやりの気持ちをリンクさせ、21世紀に向かって社会を大きく変えるシステムの一部だと考えています。
21世紀というのは、今まであまり協力関係が構築されていなかった行政、企業、市民の人々が一緒に共同して1つのプロジェクトを進めていく時だと思います。そのような中でタイムダラーのシステムが大きく活躍する時です。時には私たちがしているボランティアのシステムが、専門家の仕事を取りあげるのではないかと言われることもありますが、一緒に働くことによって、より質の高い仕事を生みだすことができています。

 

 

 

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