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基調講演

 

『市民と自治体との協力』

 

(社)長寿社会文化協会 理事 田中 尚輝

 

田中と申します。最近はボランティアでも飯が食えるようになってきています。ボランティアというものが暇な人や余裕のある人だけがやるのではなくて、いろいろな人が参加できるような国になればいいなと思って活動をしております。

 

●ボランティア団体の活躍をめざして

 

私は今ご紹介いただきましたように、(社)長寿社会文化協会の理事をしております。この団体は、できるだけいろいろな人が世の中の動きに参加して(社会参加と言っておりますが)、世の中を活性化しようという活動をしています。
また、「市民・連合ボランティアネットワーク」の事務局長もしているのですが、これは阪神・淡路大震災の復興のお手伝いをするボランティア団体で、毎月神戸に通いながら活動しています。阪神・淡路大震災の後ボランティアが当時で延べ130万人、グループ数にすると300ぐらいの団体が駆けつけたり、現地で生まれたりしたのですが、現在は50〜60位の団体しかありません。その中で、復興に関するボランティア活動の総活動量の約1/3程度を私達の「市民・連合ボランティアネットワーク」が担っていると思います。
それから「さわやか福祉財団」(理事長堀田力)では、ボランティア団体の立ち上げや運営について担当しています。この団体は主に高齢者の在宅のボランティア活動支援をしております。こういった団体を全国各地に作りつつあり、最近では年間100ぐらいの新しい団体が各地で生まれています。
私はこのようなボランティア活動を直接にやりながら他方で、自治体の方にボランティア活動の応援をしていただきたいと思い各地を回っております。その1つが今回のシンポジウムとして実現したわけです。

 

●自治体とのパートナーシップの必要性

 

自治体側のボランティアに対する考え方というのは当地の静岡県の話ではないのですが、ある県の担当者の方と話をしていましたら「ボランティアの人とは何しろ会いたくない」と言うのです。ボランティアの人は県庁へいらっしゃったら文句や注文ばかりつける存在なので、なるべく会う時間を短くしてほしい人たちで、いろいろな方が注文ばかり持ってきて困るというイメージが非常に強いようです。
全国に3300ほど自治体がありますが、ボランティア活動を重視して、応援しながら街づくりを考えようという自治体はまだ100もないと思います。ボランティアのことは

 

 

 

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