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第4章

総括ネットワーク社会における行政の在り方


 

社会一般において、情報技術の活用が進み、特に、ネットワークの普及が従来にない形態の活動様式やサービスの提供を促進し、経済社会活動や国民生活へ大きな影響を与えるに至っていることは間違いない。しかしながら、行政側はこの情報技術の恩恵を未だ、活かしきれておらず、各界から行政の情報化の促進について要望され、提言されていることも事実である。平成6年12月の「行政情報化推進基本計画」は、このような状況を背景として策定されたものであり、その意味では、行政内部の情報化だけではなく、広く社会、国民との関係が深いところにおける情報技術の活用という、従来あまり重視されなかった視点を持ったことは評価される。一方において、情報技術の進歩はこの数年急速であり、そのことが社会の情報化を加速しているという状況がある。行政におけるこれら進歩しつつある情報技術の活用がさらに図られてよいのではないかということも実感であろう。現在、行政において最も重要課題とされる行政改革の推進に、情報技術が如何に貢献できるのかが問われているのである。

 

1.情報環境の整備

 

今後の行政の情報化の方向を検討するにあたって、最近の情報技術の進歩はどのような特徴を持っており、それが行政の情報環境の整備に如何につながっていくのか、その可能性はどのように想定されるか等についてまとめておく必要があろう。主な動向は以下のように集約される。

 

(1)ネットワーキング

この数年における情報技術の進展の中で最も大きいのが、ネットワークの普及であることは間違いない。従来の特定アプリケーションごとの縦のネットワークから、組織内および組織間という横のまたは、面的なネットワークが実現しつつあるのである。その

 

 

 

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