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2-1-5 島根県出雲市におけるICカードによる新たなる行政サービスの展開

島根県出雲市では、市民にICカードを発行し、新しいサービスの構築を目指している。

このICカードは、「いずも市民カードシステム」として、一人ひとりの個人基本情報、保健情報、救急情報を記録し、市役所窓口での手続きの容易化などのサービスが受けられることをねらいとしている。

 

(1)導入の目的

ICカードの導入にあたり、まず、次のような社会的背景の変化に対応するとしている。

・住民の生活スタイルの多様化(多種多様な要望と生活空間・時間の変化)

・高齢化社会への急速な移行(高齢化と少子化)

・コミュニティの変貌(行動範囲の拡大と生活圏の重層化)

・情報化社会の進展(量産され高速処理される情報)

また、市民が期待している効果として次の項目があげられている。

・必要な情報が入手でき、自分で管理でき提供ができる

・質の高いサービスを迅速・的確に受止めることができる

・安心して暮らせ、健康の維持と増進が図れる

・行政を身近に感じられる

更に、行政運用にあたって期待される効果として次の項目があげられている。

・サービスの改善(手続きの簡素化、正確・迅速・充実したサービスの創造)

・事務処理の効率化と質的改善(正確性・高度性・容易性)

・情報管理の改善(伝達の迅速化・正確化、処理時間の短縮化、利用の容易化、有効利用、保護)

・縦割り業務の排除と連携の強化

 

(2)導入の現状

導入は次の3段階に分けて行われている。

●第1段階 福祉カードへの適用

平成3年4月より65歳以上の高齢者を対象に「福祉カード」として発行されており、行政窓口、救急支援、健康管理の3つのサービスを対象に行われている。

 

 

 

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