2-1-2 静岡県西部広域行政サービス構想
行政サービスの広域化は、住民の生活行動圏の拡大に伴い、従来の行政区域内のみのサービス拠点の設定では、住民のニーズに対応できなくなってきている。このため、地方公共団体では、さまざまな形態で広域行政サービスへの取組みがなされている。ここでは、静岡県浜松市を中心とした同県西部広域行政サービスへの取組みのケースを、見ることとする。
(1)広域行政サービスを必要とする背景
?@ 住民生活の広域化
地価の高騰、都市交通機関の発達、価値観の変化などがあいまって、生活圏は拡大し他市町村間の住民の流動性は増加している。この静岡県西部地域22市町村の居住人口106万人のうち、他市町村への通勤・通学者は13%の14万人に上っている状況である。
こうした生活行動圏の変化に伴い、行政サービスを居住地以外の市町村で受けられることが求められている。例えば、住民票の写しや印鑑登録などの行政窓口サービスや、スポーツ施設や生涯学習施設の情報を入手し、必要に応じ予約ができるようにしたいとするものである。
?A 行政ニーズの高度化・多様化
ゆとりと豊かさのある住民生活を実現するために、質の高い行政サービスの提供が求められつつある。施設予約、利用案内、文化情報の提供などが例としてあげられている。
これらの行政サービスは、各自治体が単独で行うよりは、共同により広域的な推進を図る方が、質の高いサービスで効率的な提供が可能となる。
?B 静岡県西部地域における地域連携の強化
この地域は、平成6年に地方拠点都市整備地域の指定を受け、地域振興に対する広域的取組みの素地が形成されつつある。今後、広域的な行政サービスを展開するためにも、各市町村の相互協力が不可欠としている。
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