建設省の建築確認申請のFD受付、厚生省の医薬品等の承認許可にかかわるFD申請、郵政省の無線免許の電子手続化などもすでに実施されているが、行政全体で見ると、約8,400件とされる手続のうち200件程度しか電子化、オンライン化が図られておらず、今後の展開を期待するところが大きい。しかし、これの推進は行政サービス向上の見地から行政情報化の重要な課題とされており、各省庁でも実施に向けての見直しが行われているため年々適用範囲が拡大していくことは確かである。
最近改善が図られた主な事例としては、通商産業省が電気事業法、熱供給事業法、ガス事業法等、所管法律の一部の申請手続等について電子化を可能にするシステムの整備を行っている。また、郵政省では、資格審査申請の電子化、無線局等の申請・届出の電子化が行われている。建設省でも特殊な車両の通行の許可等の申請に係る書類の一部について、FDによる提出を可能とするよう関係省令の改正を行ったほか、道路占用許可申請業務についてオンライン電子申請方式を99年度に開始するため検討を進めている。
1−3 今後における行政情報化推進の課題
1−3−1 行政情報化推進計画策定以降の情勢の変化
これまで述べてきたとおり、現在の行政の情報化は、1992〜3年頃に各界から官民格差あるいは国際比較の面でその立ち遅れが指摘されたことが契機となり、1995年(平成7年)に策定された5か年間の行政情報化推進計画に基づいて進められているものである。
この計画策定から2か年を経過した現在、情報化進展の速度には著しいものがあり、計画の策定時点では想定できなかった事項や5か年以降の課題として計画に盛り込まれていない事項など、今後の行政の情報化を推進するに当たって、現時点で早急に取り組む必要性のある事項も少なくない。
推進計画実施以降の主要な状況の変化を列挙してみれば以下のとおりである。
?@ 行政情報化の基盤整備の急速な進展
計画では、行政部内の一人一台パソコンの整備と通信ネットワーク(省庁内LANおよび各省庁間WAN)の整備を5か年間の重点課題としてあげたが、予想を上回って2年目の平成8年度において、本庁部局では既に1.2人に1台のパソコン配備率となり、省庁内LANも25省庁中24省庁が整備済み、省庁間ネットワークの霞が関WANは97年
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