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第1章

行政情報化の現状と課題


 

1−1 行政情報化推進の経緯

 

1−1−1 行政機関のコンピュータ利用の推移

国の行政機関におけるコンピュータの利用は1950年代後半に始まり、当初は研究、統計調査等の計算業務が中心であったが、1970年代からオンライン処理方式の普及とともに適用業務が一挙に拡大し、車検登録、職業紹介、貯金・保険、旅券発給等の大量定型的業務分野や航空管制、気象観測等の正確性、緊急性が特に要求される業務分野のコンピュータ利用が進展した。

さらに、1975年頃以降には、行政の複雑・多様化と大量データを効率的に管理するデータベース管理システムの出現等を背景として、政策支援のための総合的なデータベースの開発・運用も活発になるなど、情報通信技術の進展に対応して、事務・事業のコンピュータ利用を積極的に推進してきた。この結果、国の行政の広範な業務分野においてコンピュータの利用が行われており、その状況は概ね四つの類型に大別することができる。

すなわち、事務処理系システムとして、

?@ 主として国民・企業からの申請、届出、請求などの大量事務を処理する「許認可等業務システムの分野」(運転免許、登記、旅券発給、徴税、社会保険・雇用保険、特許、車検登録、職業紹介、戸籍管理など)

?A 政策支援のための総合的なデータベースを運用(統計を含む)したり、給与・共済、人事等の内部事務を処理する「行政事務処理支援システムの分野」

また、技術系システムとして、

?B 気象通報、地震予知、航空管制、海上交通管制、ダム制御、工事設計など「技術的業務システムの分野」

その他として、

?C 通常の行政事務とは異なる試験・研究機関の「研究支援システムの分野」

 

 

 

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