日本財団 図書館

共通ヘッダを読みとばす


Top > 社会科学 > 社会 > 成果物情報

21世紀の人口・食糧戦略?アジアと世界?

 事業名 人口と開発国際協力
 団体名 アジア人口・開発協会 注目度注目度5


 

3 縁の革命の将来展望と課題

 

以上で述べたように、緑の革命は、若しそれがなかっとしたら、これまでに世界で発生した可能性の強い深刻な食糧問題もしくはマルサス的危機を救った農業技術革新であり、先進国からの国際的技術移転と途上国側の政府・農民による積極的対応による国際協力の成果として、人類の歴史に必ず残るであろう世界的変革の出来事であったと云えよう。
確かに、その展開過程において、長年にわたって維持されてきた慣習的農村社会の秩序を破壊する性格はあったであろう。しかし、それも社会が近代化する上での一つのプロセスと見做せば、あったとしてもそれは必要悪とも云えよう。
しかしながら、緑の革命は、近年強調される環境保全や農業の持続的発展の面から問題がないわけではない。高収量品種の効果を高める上で、多量の化学肥料や農薬を必要とするし、水もポンプを使うなどして人為的に多用することにもなれば、それまでの環境や生態系の循環を狂わせる要因となろう。また、限られた特定品種の稲のみが広範囲にわたって植えられることになると、各地方の固有の自然環境の中で持続されてきた在来品種が絶滅してしまう危険がある。また、ひとたび病害虫や冷害が発生して、広範に植えられた特定品種が被害を受けることになると大凶作にもなりかねない。(15)
短期的には、そうした大凶作を防ぐために、性格の異る近代的品種を栽培する配慮が必要であろうし、将来の種の改善を保証するには、日頃から、意識的な多様な在来種の保存努力が必要であろう。また、ローインプットで自然環境によりやさしく、自然の生態系により合致した方向での品種改良も必要であろう。
日本の米需要の変化から明らかなように、消費者の所得が向上してくると、まずくても腹一杯の米を食べていたのが、美味しい米を少量食べる方向に変ってくる。つまり、近代品種ではあっても、収量を犠牲にしても美味しさを追求する方向での品種改良が、高所得層の米への需要を減らさぬ上で必要であろう。(16)

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 

 






サイトに関するご意見・ご質問・お問合せ   サイトマップ   個人情報保護

日本財団会長笹川陽平ブログはこちら

日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION



ランキング
注目度とは?
成果物アクセスランキング
103位
(33,772成果物中)

成果物アクセス数
136,984

集計期間:成果物公開〜現在
更新日: 2021年9月25日

関連する他の成果物

1.Population and Food Strategy for 21st century - Asia and World -
2.2025年への決断?アジアの人口増加と食料?
3.2025年への決断?アジアの人口増加と食料?(日本語)
4.2025年への決断?アジアの人口増加と食料?(スライド台本)
5.2025年への決断?アジアの人口増加と食料?
6.2025年への決断?アジアの人口増加と食料?(中国語)
7.2025年への決断?アジアの人口増加と食料?(スライド台本)
8.2025年への決断?アジアの人口増加と食料?
9.2025年への決断?アジアの人口増加と食料?(インドネシア語)
10.2025年への決断?アジアの人口増加と食料?(スライド台本)
11.第12回人口と開発に関するアジア国会議員代表者会議報告書・マニラ1996/2/12-13
12.The 12th Asian Parliamentarians' Meeting on Population and Development - MANILA 1996/2/12-13
13.第13回人口と開発に関するアジア国会議員代表者会議報告書・神戸1997/3/17-18
14.The 13th Asian Parliamentarians' Meeting on Population and Development - KOBE 1997/3/17-18 -
15.「人口と開発国際協力」の報告書
16.第6回アルコール関連問題対策国際会議
  [ 同じカテゴリの成果物 ]


アンケートにご協力
御願いします

この成果物は
お役に立ちましたか?


とても役に立った
まあまあ
普通
いまいち
全く役に立たなかった


この成果物をどのような
目的でご覧になりましたか?


レポート等の作成の
参考資料として
研究の一助として
関係者として参照した
興味があったので
間違って辿り着いただけ


ご意見・ご感想

ここで入力されたご質問・資料請求には、ご回答できません。






その他・お問い合わせ
ご質問は こちら から