周知のように、緑の革命は、1960年代当初ロックフェラー財団・フォード財団を中心に設立された国際農業研究機関であるフィリピン、ロスバニオスの国際稲研究所(International Rice Research Institute, 略称IIRRI)で開発された高収量の稲の新品種、並びに、メキシコでロックフェラー財団が1940年代から進めてきた現在の国際とうもろこし小麦改良センター(略称CIMMYT)で開発されたとうもろこしと小麦の新品種の普及による、穀類の世界的大増産の実現である。これら高収量品種の開発は、アメリカ・日本を中心とした先進国農業技術の途上国農業への国際技術移転の典型的事例として位置づけられるものである。