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■事業の内容

(1)システム開発の計画・管理の在り方に関する調査研究
 地方公共団体におけるシステム開発の課題を調査し、委託開発する場合に重要となる計画や仕様の作成方法について整理するとともに、委託費用の見積方法について重点的に調査した。
 また、委託によるシステム開発工程の進捗管理方法及び品質管理方法と、システムの納入時における検査方法等について整理し、システム開発における計画、管理の在り方をガイドラインとして取りまとめた。
[1] 研究項目
a.現状調査
(a)調査事項
イ.システム開発における現状及び課題
ロ.開発計画及び仕様の作成方法
ハ.外部委託する場合の費用の見積方法
ニ.開発過程における進捗管理及び品質管理方法
ホ.納入されたシステムの検査方法
(b)調査団体
イ.北海道、札幌市   8月22日〜 8月23日
ロ.宇治市、滋賀県  10月15日〜10月16日
ハ.福岡県、宮崎県  10月12日〜10月13日
b.システム開発の計画・管理の各種手法の考察
(a)システム開発の手法
(b)費用見積りの手法
(c)進捗管理及び品質管理の手法
(d)受入検査の手法
c.システム開発の計画・管理のガイドラインの検討
(a)開発計画及び仕様作成のガイドライン
(b)委託費用見積りのガイドライン
(c)進捗管理及び品質管理のガイドライン
(d)受入検査のガイドライン
[2] 報告書の作成
a.規格等  A4版 180頁 オフセット印刷
b.部 数  1,850部
c.配布先  国、関係機関、センター会員、(都道府県、指定都市、市区町村)
(2)市町村の地域情報化における情報技術の活用に関する調査研究
 市町村における地域情報化の意義及び考え方を整理し、地域情報化推進の現状と課題について調査分析を行い、その結果を整理した。
 また、地域情報化を総合的かつ計画的に推進する方策である地域情報化計画策定の必要性を示し、計画策定に重要なポイントを整理するとともに、地域情報化を着実に推進するための基本的要件について具体的に提示した。
 さらに、地域情報化における情報技術の活用方策として、地域特性、情報化対象分野、メディア特性に関する各要素について整理した上で、それぞれの関連性を整理し、地域情報化における情報技術の活用方策をとりまとめた。
[1] 研究項目
a.現状調査
(a)調査項目
イ.策定体制
ロ.計画の位置づけ
ハ.策定プロセス上の特徴
ニ.計画策定の必要性
ホ.計画実施時の障害、課題
へ.システム運用時の課題
(b)調査団体
イ.千葉市           5月17日
ロ.鈴鹿市、津市        7月20日〜 7月21日
ハ.ひたちなか市        8月 1日
ニ.秋田県、鹿角市       9月28日〜 9月29日
ホ.山梨県、甲府市、白根町  10月11日〜10月12日
へ.可児市、大垣市      10月12日〜10月13日
ト.富山県、高岡市      11月 1日〜11月 2日
b.地域情報化推進の現状と課題
(a)地域情報化の考え方
(b)地域情報化の意義
(c)地域情報化の現状分析
(d)地域情報化推進上の課題の整理
c.地域情報化推進の方策
(a)地域情報化推進プロセスの明確化
(b)地域情報化計画の必要性
(c)地域情報化計画の位置づけ
(d)地域情報化の進め方
d.地域情報化における情報技術の活用方策の整理
(a)情報技術活用方策の基本的考え方
(b)情報技術の特性
(c)情報化対象分野における情報技術の活用方策
(d)先進的な情報技術の活用方策
[2] 報告書の作成
a.規格等  A4版 190頁 オフセット印刷
b.部 数  1,850部
c.配布先  国、関係機関、センター会員、(都道府県、指定都市、市区町村)
(3)地方公共団体におけるクライアント・サーバ・システムの構築に関する調査研究
 クライアント・サーバ・システムを技術的側面や機能及び活用面から特徴を整理し、クライアント・サーバ・システムの概念をまとめるとともに、地方公共団体が行政改革を一層推進する上で、情報技術を活用して新しい仕組みを構築する際のクライアント・サーバ・システムの必要性及び採用する際の考え方をまとめた。
 そして、地方公共団体がクライアント・サーバ・システムを構築及び活用する際の留意点について、情報システムのライフサイクルに従って分類し、整理した。
 また、クライアント・サーバ・システムを構成する要素について、ハードウェア、ソフトウェア、ネットワークに分けて技術面から解説するとともに、今後の技術動向を整理した。
 さらに、既にクライアント・サーバ・システムを構築している地方公共団体及び海外の機関について、システム概要と今後の取り組みの考え方について事例をまとめた。
[1] 研究項目
a.現状調査
(a)調査項目
イ.システム概要
ロ.ネットワークの状況
ハ.システム導入の目的とシステム採用基準
ニ.システム開発体制
ホ.システム運用体制
ヘ.システム導入に伴う課題
ト.情報システム部門と利用部門の役割分担の状況
(b)調査団体
イ.神奈川県         4月19日
ロ.慶應義塾大学(藤沢校)  6月19日
ハ.府中市          7月18日
ニ.東京都立科学技術大学   8月30日
ホ.昭島市          9月 4日
ヘ.岐阜県、奈良県      9月21日〜 9月22日
ト.静岡県、富士宮市     9月28日〜 9月29日
チ.浜松市         10月23日
リ.山口県、北九州市    10月30日〜10月31日
ヌ.石川県、金沢市     11月 6日〜11月7日
ル.慶應義塾大学(藤沢校)  3月 8日
b.クライアント・サーバ・システム採用の考え方
(a)クライアント・サーバ・システム進展の背景
(b)技術面、活用面の特徴と概念
(c)地方公共団体における行政改革の動向
(d)クライアント・サーバ・システムの必要性と採用の考え方
(e)情報システム部門の役割
c.クライアント・サーバ・システム導入における留意点
(a)ライフサイクル全般
(b)計画時
(c)設計・開発時
(d)運用時
(e)クライアント・サーバ・システムの開発手法
d.クライアント・サーバ・システム関連技術の動向
(a)ハードウエア
(b)ソフトウェア
(c)ネットワーク
[2] 報告書の作成
a.規格等  A4版 195頁 オフセット印刷
b.部 数  1,850部
c.配付先  国、関係機関、センター会員、(都道府県、指定都市、市区町村)
(海外調査)
 アメリカ合衆国とカナダ、及びヨーロッパ諸国(フランス、イギリス、ベルギー)の班に分かれて調査を行った。なお、調査期間は、アメリカ合衆国とカナダが9月4日から9月15日、ヨーロッパ諸国が10月16日から10月27日である。
 主たる調査内容としては、代表的な公共団体及び研究機関を対象として、クライアント・サーバ・システムの開発手法と開発に当たっての課題、クライアント・サーバ・システム運用上の課題、情報化の将来展望等についてであり、資料の収集も行った。また、これらの調査結果や資料の概要の一部を報告書に掲載した。
(a)調査項目
イ.クライアント・サーバ・システムの開発手法と開発に当たっての課題
ロ.クライアント・サーバ・システム運用上の課題
ハ.情報化の将来展望等
(b)調査地
イ.アメリカ合衆国
(イ)オレンジカウンティ(ニューヨーク州)
(ロ)アリゾナ州立大学(アリゾナ州)
ロ.カナダ
(イ)ブリティッシュコロンビア州政府(ビクトリア市)
ハ.ヨーロッパ諸国
(イ)ローヌ県(フランス)
(ロ)バーミンガム市(イギリス)
(ハ)ブリュッセル市(ベルギー)
(4)コンピュータシステムに関する教育研修及びビデオの作成
[1] 研修の開催
 管理者研修、基礎研修、企画研修、開発研修、運用・管理研修、適用業務研修及び特別研修の7コースで構成し、受講者も管理者をはじめ上級者から初級者までを対象として幅広い研修を実施した。
 研修開催期間は平成7年4月〜平成8年3月、開催回数は東京及び地方を通じて延べ56回、受講者は延べ3,187人となっている。
a.管理者研修
 管理者を対象として、情報化への対応に必要な知識の向上及び情報システムの利用に伴う諸問題の理解を図り、情報化時代における管理者の役割について認識を深めるとともに相互啓発することを目的とした研修
開催回数    7回
受講者数  294人
研 修 名 開 催 期 間 受講者数 開催地
(a)管理者のための情報化セミナー
(b)新任コンピュータ主管者セミナー
   (都道府県・指定都市)

        (市区町村)

        (市区町村)
(c)情報管理主管者セミナー
〃  7月 5日〜 7月 6日
10月31日〜11月 1日
 5月24日〜 5月25日
 
 5月16日〜 5月17日

 5月31日〜 6月 1日

 8月22日〜 8月24日
 9月 5日〜 9月 7日 60
79
26

37

33

31
28 大阪
東京
東京

東京

大阪

東京
大阪

b.基礎研修
 情報システムを活用するために必要な情報処理全般、オンライン及びデータベースに必要な基礎的な地域、また、OA化への対応並びに研修担当者の役割を習得することを目的とした研修
開催回数   14回
受講者数  998人
研 修 名 開 催 期 間 受講者数 開催地
(a)情報処理入門セミナー



(b)利用部門のためのシステム開発入門
               セミナー



(c)プレゼンテーション・セミナー
(d)研修企画セミナー
(e)オンライン基礎セミナー

(f)データベース基礎セミナー

(g)OA推進リーダー・セミナー  4月25日〜 4月27日
 6月 5日〜 6月 7日
 7月18日〜 7月20日
 8月22日〜 8月24日
 6月14日〜 6月15日
 
 8月 1日〜 8月 2日
 
 1月17日〜 1月18日
 
 7月25日〜 7月28日
 8月 1日〜 8月 3日
 7月 5日〜 7月 6日
 2月 7日〜 2月 8日
 7月18日〜 7月19日
 1月24日〜 1月25日
 8月29日〜 8月31日  92
 27
 81
 58
 63

 73

 93

 17
 38
 92
 95
 92
 71
106 東京
熊本
大阪
岡山
奈良

仙台

東京

東京
東京
東京
大阪
横浜
北九州
静岡

c.企画研修
 システム分析や開発計画策定及び事前評価、コンピュータの導入準備など、情報システムのライフサイクルにおける企画段階に必要な知識や技法等を習得することを目的とした研修
開催回数    4回
受講者数  128人
研 修 名 開 催 期 間 受講者数 開催地
(a)コンピュータ導入準備セミナー
(b)システム事前評価セミナー
(c)構造化分析セミナー
〃  5月30日〜 6月 2日
11月15日〜11月16日
 6月20日〜 6月23日
11月 7日〜11月10日 25
54
15
34 東京
広島
東京
東京
d.開発研修
 システム設計やプログラムの製造及びテストなど、情報システムのライフサイクルにおける開発段階において必要な知識や技術を習得することを目的とした研修
開催回数   14回
受講者数  507人
研 修 名 開 催 期 間 受講者数 開催地
(a)COBOL入門セミナー




(b)システム設計入門セミナー

(c)構造化設計セミナー



(d)オンラインシステム設計セミナー
(e)データベース設計セミナー
(f)ソフトウェア・テスト・セミナー  5月 9日〜 5月12日
 6月13日〜 6月16日
 7月11日〜 7月14日
10月24日〜10月27日
11月28日〜12月 1日
 5月17日〜 5月18日
10月31日〜11月 1日
 6月 6日〜 6月 9日
 9月19日〜 9月22日
11月14日〜11月17日
 3月 5日〜 3月 8日
12月 5日〜12月 7日
 9月 5日〜 9月 7日
10月 4日〜10月 5日 40
39
37
32
26
66
46
18
39
33
21
37
35
38 東京
東京
東京
東京
東京
大阪
盛岡
東京
東京
東京
東京
東京
東京
福岡

e.運用・管理研修

 運用・保守並びに事後評価など情報システムのライフサイクルにおける運用段階、並びに外部委託やプロジェクト管理などの管理業務について必要な知識や技術を習得することを目的とした研修
開催回数    6回

受講者数  340人

研 修 名 開 催 期 間 受験者数 開催地
(a)運用・保守セミナー
(b)システム再構築セミナー
(c)委託管理セミナー

(d)プロジェクト管理セミナー
(e)情報管理における中堅職員養成
               セミナー 12月 6日〜12月 7日
 6月28日〜 6月29日
 9月26日〜 9月28日
11月 7日〜11月 9日
10月 3日〜10月 6日
10月11日〜10月13日 89
96
55
53
32
15 名古屋
東京
東京
京都
東京
湯河原

f.適用業務研修

 おのおのの適用業務システムのねらいと概要並びに開発・改善・見直しの着眼点などを、事例を通じて理解することを目的とした研修
開催回数    4回

受講者数  248人

研 修 名 開 催 期 間 受講者数 開催地
(a)財務情報システムセミナー(市区町村)
(b)福祉情報システム・セミナー
(c)病院・保健医療情報システム・
                セミナー
(d)住民情報システム・セミナー 10月18日〜10月19日
 9月12日〜 9月13日
 1月31日〜 2月 1日
 
 9月20日〜 9月21日 62
40
87

59 高松
札幌
名古屋

金沢

g.特別研修

 情報管理や情報システムに関する重要な課題、並びに最新の情報システムの活用動向に的確に対応するための研修
開催回数    7回

受講者数  672人

研 修 名 開 催 期 間 受講者数 開催地
(a)地域情報化に関する特別研修

(b)システム・インテグレーションに関す
   る特別研修
(c)マルチメディアに関する特別研修
(d)パソコン通信に関する特別研修
(e)オープン・システムに関する特別研修
(f)地図情報システムに関する特別研修  5月24日〜 5月25日
11月29日〜11月30日
10月19日〜10月20日
 
 6月28日〜 6月29日
 9月27日〜 9月28日
 7月26日〜 7月27日
 2月14日〜 2月15日 147
 95
 87

 74
 80
 77
112 岐阜
大阪
東京

札幌
仙台
福岡
広島
[2] 視聴覚教材の作成
 地方公共団体で行われている行政サービスは多岐にわたっており、なかでも市区町村等の窓口事務は住民サービスの分野で、住民と直接対応する重要なものである。このため、住民の多様化するニーズに応えて、よりよいサービスを提供するために、各地方公共団体ではコンピュータなどの情報機器やデータ通信の技術を駆使して、窓口事務の情報化に取り組んでいる。
 そこで、市区町村等の職員を対象として、行政へのコンピュータ活用の基本的な考え方や取り組みについて理解を深めるため、住民サービスで新しい展開を進めている最新の実践例を紹介するビデオを作成した。
a.題 名  「コンピュータでかわる窓口事務」
b.規 格  2分の1インチ
c.数 量  5巻(VHS3巻、べータ<2>2巻)
d.内 容  実際に窓口事務でコンピュータを導入した先進団体の事例を通じて、以下の項目を中心に取りまとめた。(約25分)
(a)「台東区の戸籍情報システム」(戸籍情報システム)
(b)「羽曳野市の住民票写し、印鑑登録証明、各種税証明等自動交付システム」(印鑑登録証明、自動交付機)
(c)「諏訪広域市町村窓口事務ネットワークシステム」(広域圏ネットワークシステム)
(d)「鳩ヶ谷市のクライアント・サーバ方式」(クライアント・サーバ方式)
(e)今後の窓口事務と住民サービスヘの行政の対応(まとめ)

■事業の成果

地方公共団体がシステムを委託開発する場合の計画や開発管理の在り方、市町村の地域情報化における情報技術の活用方策及び地方公共団体におけるクライアント・サーバ・システムの構築について調査研究を行い、また、コンピュータシステムに関する教育研修及びビデオの作成を行ったことにより、地方公共団体の事務処理の効率化が図られ、各種行政事務への適用の可能性を示すことができた。
 また、行政情報システムが高度化することによって、新たな行政需要への迅速な対応、多様な情報の提供等住民の福祉向上に寄与するものと思われる。





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