日本財団 図書館


■事業の内容

(1)アジア・アフリカ等におけるらい対策研究及び援助
[1] 技術者研修
a.海外技術者研修
(a)フェローシップ  (29名)
(b)スカラーシップ  (26名)
b.海外専門家技術者研修
(a)バングラデシュ国内セミナー  (39名)
(b)インドネシア国内セミナー  (63名)
(c)中国国内セミナー  (191名)
(d)ブラジル国内セミナー  (1,400名)
(e)ミャンマー国内セミナー  (8,850名)
c.専門家技術者研修(国際医療協力研修)
(a)らい医学夏期大学講座  (42名)
(b)国際保健協力フィールドワーク・フェローショップ  (14名)
d.らいに関する教材の開発及び供与
(a)らい教材ポスター(インドネシア語)  26,000部
(b)An Atlas of Leprosy(スライド版)  300部
(c)蛇腹折らい図鑑ポケットアルバム  3,000部
[2] 現地技術協力
a.専門家の派遣
(a)対象国  インド、ネパール、タイ、フィリピン、ミャンマー
(b)派遣人員 (26名)
[3] WHO、ILEP等らい関係諸機関との協議、連絡及び調整
a.WHO、ILEP及び海外救らい団体等との協議、連絡(6回)
[4] らいに関する基礎及び実地研究、
a.らいの化学療法に関する国際共同研究
(a)実施場所  タイ
(b)研究内容  ・PCR法によるらいの早期発見に関する研究
・オフロキサシンのらいに対する治療効果の研究
b.化学療法共同研究運営委員会の開催
(a)開催場所タイ
(b)参加者   48名
[5] 薬品機材供与
a.アジア・アフリカ等に対する薬品・機材供与
(a)対象国   インドネシア、ナイジェリア、中国、ミャンマー、ベトナム、ネパール、フィリピン、ミクロネシア、ガーナ
(b)供与品目  治らい薬、研修用スライド・プロジェクター、研修用OHP、車輌等
[6] らいに関する広報啓蒙活動
a.パンフレットの作成  中国語版らいセルフケア小冊子 160,000部、その他
b.教材の購入及び配布  International Journal of Liprosy 100冊、その他
[7] MDT薬品供与体制の整備
a.アドバイザリーコミティーの運営(諮問委員会の開催)
(a)第1回  1995年6月、ミャンマー
(b)第2回  1995年10月、東京
b.供与対象国MDT評価調査
(a)派遣国  ミャンマー、フィリピン、タイ、パプアニューギニア、インドネシア、ミクロネシア、ベトナム
(b)派遣者  延べ8名
c.対象国実務者による調査
(a)対象国  インドネシア、中国、ブラジル、パプアニューギニア、バングラデシュ、ネパール
(2)アジア・アフリカ等における寄生虫症対策研究及び援助
[1] 技術者研究
a.日中寄生虫予防研修
(a)研修場所  日本
(b)研修人員  11名
b.海外寄生虫技術者研修
(a)研修場所  タイ
(b)研修人員  12ヶ国 30名
[2] 現地技術協力
a.専門家の派遣
(a)対象国   ラオス、フィリピン、中央アフリカ、中国
(b)派遣人員  14名
[3] 薬品機材供与
a.アジア・アフリカ等に対する薬品・機材供与
(a)対象国  ラオス、フィリピン、中央アフリカ
(b)供与品目 寄生虫症対策医療関連物品、疫学調査血清試薬保存用冷蔵庫、その他

■事業の成果

(1)「らい対策事業」では、WHOやILEP(世界救らい団体連合)との連携をとりながら、各国と協力しつつ諸活動を進め、積極的な事業展開を図った。近年MDT(らい複合療法)を実施すればらいが完治することが証明され、特に今年度からは日本船舶振興会からWHOを通じてらい蔓延国に対し多額の治らい薬が供与され始めたことも合重なり、当財団としては日本船舶振興会の要請によりその治らい薬供与先の検討並びにその事業評価調査を行った。更に従来から実施して来ているらい蔓延国におけるMDT実施のための環境整備、即ち各国におけるMDT実施のための車両供与、医療従事者に対する研修会の開催そしてその他啓蒙活動の支援等も積極的に協力した。
 また、今年度は世界各国よりらい研究に携わる専門家を急拠バンコクに集め、今後のらい研究の在り方について率直な意見交換をしてもらう場を提供し、世界のらい研究の将来について一石を投じた。併せて、将来わが国から海外にて働ける若手のらい医療関係者育成のためインド・カリギリのWHOらい研修センターに於ける実地研修やWHO西大平洋事務局を初め、フィリピンにおける諸施設にての実地研修等育成事業も積極的に取り入れ効果を上げている。
(2)「寄生虫症対策事業」においては、中央アフリカ共和国、フィリピン、ラオス、中国などへ専門家を派遣し、各地の諸寄生虫症撲滅のために技術協力、専門家育成のための技術指導、薬品機材の供与等の活動を展開した。
 特にラオスにおけるメコン川流域地区の住血吸虫中間宿主貝対策の調査を開始し、同国保健省及びマラリア・寄生虫・昆虫学研究所等との共同プロジェクトとして今後同地区の調査並びに殺貝活動を実施することになった。
 また、タイ国のマヒドン大学において実施されている医師、専門家のトレーニングは本年度で第19回を迎え、その研修者数は既に400人を越えており、彼等が各国における指導者として活動するに至っている。この事業の近年における特徴としてはアジアの国々以外の地域即ち南米・アフリカ等からの研修希望も寄せられ毎年数名オブザーバーとして受けいれている状況にある。以上よりのこの研修協力も地道な成果をあげていると言える。
 以上、世界には未だに解決できない幾多の保健問題が残されているが、当財団の多岐にわたる継続的な協力活動によって、らいの制圧や地域に根差した寄生虫症の撲滅等が解決の方向に着々と進み、世界の人々の保健衛生の向上に大きく寄与できたものと思われる。





日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION