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■事業の内容

(1) 実験の実施
[1] 陸上実験
a. 実施年月日  第1回 平成6年8月10日(水)
第2回 平成6年9月 1日(木)
b. 実施場所   山梨県
c. 参加人員   第1回 委員等  7名
第2回 委員等 17名
d. 概要     救命筏その他の各種目標物のレーダー断面積について、その測定値を取得した。また、実物を用いて各物標の数値を取得しながら、反射断面積増大の可能性について検討し、海上実験実施の方向性と目標物等を確定した。
[2] 海上実験
a. 実施年月日  平成6年10月6日(木)、7日(金)
b. 実施場所   相模湾海上・航空
c. 参加人員   委員等14名
d. 概要     各種監視機器により、小型船舶、膨脹式救命いかだ、レーダー・リフレクタ等各種対象物の発見性の対比のための海上実験を実施した。合成開口レーダー(セスナ機に搭載)、長波長赤外放射計(ヘリコプターに搭載)、捜索用レーダー(ファルコン機に搭載)により、それぞれ設定された捜索目標物を観測し、その各種センサーの探知能力等のデータを把握・収集した。なお、巡視船により、捜索目標物の配置、記録を行った。

(2) 関係資料、情報の収集及び整理
 機関をとおして、関係資料の収集、整理、解析を行った。

(3) 調査の項目及び内容
[1] 波浪等の外力が合成開口レーダー、赤外放射計の性能に与える影響の調査研究
 波浪等の外力が合成開口レーダー、赤外放射計の性能に与える影響の調査・検討を実施し、海難救助に必要な海上監視システムのあり方を取りまとめた。

(4) 報告書の作成
 調査研究結果をとりまとめ、報告書を作成した。
[1] 部数 :50部
[2] 配布先:委員、関係官庁、その他
■事業の成果

船舶等の海難の中には、軽微な事故に遭遇した者が、自らが発見されるためにとった措置等が不十分であったこと、海上監視機器等の探知能力に限界があること等の理由により、当該船舶等への速やかな指導・援助活動等がなされず、気象・海象の変化等の状況変化から大規模な二次海難に至ったケースが発生している。
 現状における海上監視システムは、レーダー及び目視が主流であるが、リモートセンシング技術等の進歩から、それらの技術の利用による監視能力の向上が可能となっている。
 また、海難に遭遇した者が効果的な捜索を受けるための被発見性向上のための方策について、当該者の取るべき措置等の運用面及び捜索対象の被発見性の両面から検討していくことが求められている。
 これらのことから、本事業では、先進技術を利用して監視能力を向上させた海上監視システムのコンセプトを形成するための調査研究を行い、新しい海上監視システムを構築する一助となった。
 さらには、船舶等の被発見性向上のための遭難者側が行うことが望ましい方策について有効性を確認し、海事関係者に周知啓蒙を図った。
 以上により、海難防止に寄与したものと思料される。





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