
■事業の内容
(1) 中国地区の中小造船所における設計部門及び船舶設計事業者の業務実態の現地ヒアリング調査の実施 アンケート調査を補完するため、下記地区において現地ヒアリング調査を実施した。 8月 8日 松江地区(松江海運支局)造船所3社 8月10日 (呉海運支局)造船所4社、 }呉/木江地区{ 船舶設計会社4社 8月11日 (木江海運支局)造船所5社、 船舶設計会社1社 (因島海運支局)造船所2社 8月25日 因島/玉野地区{ (玉野海運支局)船舶設計会社4社 9月 1日 尾道地区(尾道海運支局)造船所7社、船舶設計会社5社 (中国運輸局)船舶設計会社4社 9月 8日 広島/徳山地区{ (徳山海運支局)造船所3社 (2) アンケート調査の実施 下記の項目を中心としてアンケート調査表を作成し、船舶設計事業者47社、造船事業者42社に送付し、回収した。 アンケート調査内容 [1] 設計要員の数・年齢・実務経験、CAD化状況その他の技術力に関する事項 [2] 船主から出される設計上の要求内容及びこれらへの対応状況 [3] 標準的な設計作業の実態及び問題点 [4] 自社設計部門の今後のあり方に関する経営者の考え方及び今後の経営方針 [5] 造船所及び船主からの依頼内容及び受注内容(特に技術的内容) [6] 事業運営上の問題点 (3) 調査結果解析 アンケート調査及び現地ヒアリング調査結果を解析し、中小造船事業者と船舶設計事業者の関係及びこれらの事業者の技術力向上に関する提言等を含め報告書原案をとりまとめた。 (4)報告書印刷・作成・配布 [1] 作成部数 260部 [2] 規格 B5判 [3] 配布先 委員、関係官庁等(郵送 141部) (5) 委員会の開催 調査研究委員会 4回 調査研究作業部会 8回
■事業の成果
現在、多くの中小造船事業者においては、設計技術力及び要員の不足等により自社のみでは新型船舶の開発、設計を行うことはかなり困難な状況にある。このため受注した船舶の建造に際しては、既存同型船の図面を活用できる場合を除き、開発・計画・設計及び公的機関に対する各種提出資料(復原力計算書等)の作成は専門の設計事業者に発注するケースが増加しつつある。 一方、中小造船事業者に対しては船主ニーズに則した経済性の高い船舶を供給していくことは勿論のこと、地球環境保全、省エネルギー、モーダルシフトの促進に資する船舶の関発或いは、国際技術協力等が求められている。 中小造船事業が、現在の人員・事業規模において、こうした船舶ニーズの高度化・多様化に対応していくためには、今後、船舶設計事業者の技術を更に活用することがその一つの解決策になり得ると考えられる。 本事業においては先ず、中国地区の中小造船所を対象として、設計業務の実態、今後の自社設計部門のあり方に関する経営者の考え方を調査するとともに、中国地区の船舶設計事業者の事業の実態及び設計技術開発に係る技術能力等についてのアンケート及び現地ヒアリング調査を実施した。 次に、これらの調査結果を下に、中小造船事業者と船舶設計事業者との関係及びこれらの事業者の技術向上に関する提言を報告書として取りまとめ、今後の中小造船事業者、船舶設計事業者双方の発展を図り、中国地区はもとより全国の中小造船事業の技術向上並びに経営の安定を図ることに役立つものと思料される。
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