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■事業の内容

(1) 海洋開設関連の国際会議・展示会への出席
[1] OTC94への出席
a. OTC94調査
(a) 期間    平成6年5月2日(月)〜5月5日(木)
(b) 派遣人員  1名
(c) 場所    ヒューストン
(d) 共催    米国の石油、科学、鉱物、土木、電気、海洋等の14団体
(e) 会議・展示会の参加者数  32,908名
(f) 展示会   1,327団体からの展示物が出品された。
b. 研究機関等の調査・視察
(a) サイズミック・システム社
 大型海洋観測研究船に装備が予定されているエアガンシステムに関する情報収集、およびエアガン製造状況等を把握するため、意見交換を行った。
(b) NOAA/PMEL
 海洋ブイシステムの保守・管理および運用について情報収集するとともに、保守・管理用施設の見学をおこなった
(c) シーバード・エレクトロニクス社
 代表的海洋調査機器メーカーである同社において、CTC(塩分・温度・深度測定器)等の開発状況を調査し、製品の概要、製造状況等の情報収集を行った。
(d) インターナショナル・サブマリン・エンジニアリング社
 無索・有索無人探査機の研究開発状況および動向について情報を収集するとともに、同実験機や製品の紹介を受けた。
[2] PACON94への出席
a. PACON94調査
(a) 期間    平成6年7月4日(月)〜7月6日(水)
(b) 派遣人員  1名
(c) 場所    タウンズビル
(d) 共催    オーストラリア海洋研究所、NOAA等、15団体
(e) 会議の参加者数  約 600名
(f) 展示ブース  15社/団体からの出展があった。
b. 研究期間等の調査・視察
(a) オーストラリア海洋研究所
 珊瑚礁研究を始めとして、海洋科学技術センターとの研究協力について意見交換を行った。
(b) CSIRO(オーストラリア連邦科学産業研究機構)海洋研究所
 赤道太平洋とインド洋における観測ブイ計画の今後の方針について海洋部門と意見交換を行った。
 オーストラリアのアワビ資源とアワビ漁業の現状および今後の研究計画について、漁業部門と意見交換を行った。
[3] MTS94への出席
a. MTS94調査
(a) 期間    平成6年9月7日(水)〜9月9日(金)
(b) 派遣人員  1名
(c) 場所    ワシントンD.C.
(d) 共催    Marine Tehnology Society
(e) 論文件数  174件
(f) 展示会   102の企業/団体の展示があった。
[4] 海洋観測機器メーカー視察
 以下のボストン近郊の海洋観測機器メーカーを訪問し、その製品についてユーザーとしての立場から情報収集をするととにも、意見交換を行った。
a. ベントス社
b. データ・ソニックス社
c. ファルマウス・サイエンティフィック・インストルメント社
d. ムアリング・システム社
e. シービーム社
[5] 深海潜水調査船「PICES V」の新型支援母船の視察
 ハワイ海中調査研究所を訪問し、最近建造された支援母船を見学し、深海潜水調査船のハンドリング装置を始めとして、支援母船の装備等を調査した。

(2) 画以外の研究者・技術者の招へい
[1] 海洋観測技術に関する研究者の招へい
a. 招へいした研究者の氏名
米国 シアトル 米国海洋大気局太平洋海洋環境研究所
Mr.Hugh Milburn
b. 招へいの内容
(a) 目的
 平成7年度より海洋科学技術センターでは、太平洋に展開する独自の海洋観測ブイの開発を始める。
 広大な太平洋を観測ブイネットワークで効率的にカバーするためには、関係各国の研究期間と協調して計画を進めることが重要である。特に、既存の観測ブイデータの品質と互換性を保つ必要がある。
 そこで、西太平洋に多数の海洋観測ブイを展開している米国海洋大気局太平洋海洋環境研究所から専門家を招へいし、次世代ブイについての技術的課題等について打ち合わせを行う。
(b) 期間
平成7年3月26日(日)〜3月31日(金)
(c) 実施内容
・ 太平洋に展開する海洋観測ブイネットワークに期待される観測データの種類、フォーマットについて打ち合わせを行った。
・ 海洋科学技術センターが計画中の、次世代海洋観測ブイに搭載する観測センサーの種類、仕様を検討した。
・ 次世代海洋観測ブイ開発における技術的問題点を明確にし、今後の開発方針について意見交換を行った。
・ 「アトラスブイ技術:現在と将来」の演題で、海洋科学技術センターにて講演を行い、米国海洋大気局太平洋海洋環境研究所の研究開発状況を説明してもらうとともに、海洋観測ブイシステムの今後の方向性と想定される問題点について、総括的な観点から意見交換を行った。
[2] 海洋観測研究に関する研究者の招へい
a. 招へいした研究者の氏名
米国 サンディエゴ スクリプス海洋研究所
Mr.John Ritchie
b. 招へい内容
(a) 目的
 海洋科学技術センターは、スクリプス海洋研究所・機構変動部門・大気海洋モデル研究コンソーシアムと等密度座標海洋モデルを用いた海洋循環に関する研究を共同で実施している。
 スクリプス海洋研究所には、シミュレーション結果の出力に関する優れたプログラムがあり、上記の上級解析研究員を招へいし、この出力プログラムの紹介および形跡結果出力手法などについての指導、意見交換を行う。
(b) 期間  平成7年3月28日(火)〜4月8日(土)
(c) 実施内容
・ 海洋大循環シミュレーション出力結果の、米国において使用されているグラフィックソフトを多数(約20件)紹介し、個々のプログラムの長所、短所についての指導を受けた。
・ 有益なグラフィックソフトの一つ(IDL)について、その使用方法の説明、指導を受けた。
・ 海洋大循環シミュレーションモデルの膨大なデータを管理するプログラムソフトに関する指導を受けた。
・ シミュレーション出力結果の可視化について、意見交換を行った。

(3) 国際協力の推進
[1] 米国(ウッズホール海洋研究所との研究推進)
a. 国際協力推進の内容
(a) 期間    平成6年7月23日(土)〜7月31日(日)
(b) 派遣人員  1名
(c) 場所    ウッズホール海洋研究所(WHOI)
(d) 実施内容
・ 海洋科学技術センターの深海潜水調査船しんかい6500/支援母船よこすかのWHOI寄港に関連する行事/業務の調整を行った。
・ 大西洋中央海嶺潜航調査結果の検討および今後の発表作業について打合せを行った。
・ ウッズホール海洋研究所と総括的な研究協力に関する意見交換を行った。
[2] 仏国(国立海洋関発研究所:IFREMERとの研究推進)
a. 国際協力推進の内容
(a) 期間    平成6年9月7日(水)〜9月17日(土)
(b) 派遣人員  1名
(c) 場所    潜水船救難シンポジウム(ツーロン)
OCEANS94(ブレスト)
(含、仏国立海洋開発研究所(IFREMER))
(d) 実施内容
・ 潜水船救難シンポジウムに出席し、10,000m級無人探査機“かいこう”の海上試験について発表するとともに、潜水船の救難に関する情報交換をIFREMER他、米仏露等の関係者と実施した。
・ ツーロンIFREMERセンターにて、60,000m有人潜水船
“NAUTILE”、NAUTILE搭載用小型無人機“ROBIN”、アクリル製耐圧殼の有人潜水船“DP-2000”等を見学した。
・ OCEANS94に参加し、海洋観測/開発等に関する一般情報を収集するとともに、会場にて、IFREMER関係者と海洋関係全般にわたる意見交換を行った。
※本事業は平成7年4月30日完了予定である。
■事業の成果

海洋科学技術センターは、海洋の開発に係る科学技術に関する総合的試験研究等を実施しているが、200海里経済水域の設定及び近年深海底の資源管理等に関する国際海洋法会議の動き等、大陸棚開発、深海域の調査研究等に関する技術開発の重要性が高まってきた。このため、当センターの総合的試験研究もこれまで以上に強力に推進することが必要であるが、これらはいずれも我が国最先端の技術開発であり、その研究開発を効率的かつ安全に推進していくためには、海外の海洋開発先進国の研究機関との連携を図り、共同研究を実施するほか、海外の技術情報を入手し、調査検討を行う必要がある。
 このため本事業において、海外で行われる海洋開発関連の国際会議・展示会へ出席し、海外の研究開発機関との協力関係の推進を図り、海外の研究者・技術者との共同研究や意見交換の場を設けたことは、当センターの研究開発事業に資するとともに、我が国の海洋科学技術の進展に大きく寄与するものと思われる。





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