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■事業の内容

高齢者の医学医療に関する研究の助成を次のとおり行った。
(1) 高齢者の医学医療に関する研究助成(31件)
[1] 高齢者の痴呆の発生機序に関する医学的研究-----------------  16件
発生機序、臨床病態、治療、疫学、予防に関する総合的研究
(神経化学、免疫学、病理学、遺伝学、生理学等)
a. 病態生理学的アプローチ------------------------------  10件
b. 臨床医学的アプローチ--------------------------------  3件
c. 予防医学的アプローチ--------------------------------  3件
[2] 高齢者痴呆のケアに関する研究----------------------------  3件
医療、福祉施設におけるケアのあり方に関する研究
[3] 高齢者のターミナル・ケアに関する研究----------------------  1件
臨床医学的研究、在宅及び医療、福祉施設でのターミナル・ケアのあり方、介護者の抱える問題に関する研究
[4] 高齢者の失禁に関する研究--------------------------------  2件
高齢者の失禁の病態生理学的研究、疫学的調査と新しい治療法の研究
[5] 高齢者の医療等に関する研究------------------------------  8件
高齢者の特性に応じた医療に関する研究
[6] ターミナルケアにおけるペインコントロール----------------  1件
(特別研究)
(2) 看護職員等に対する研究助成(43件)
[1] 医療・看護ケアの改善を図るための研究---------------------  31件
[2] 短期海外研修------------------------------------------  12件
高齢者慢性疾患のケア及びリハビリテーション等の知識・技術水準の向上を図るための研究
(3) 在日外国人留学生に対する研究助成(46件)
医学医療分野の研究に必要な費用、学会参加費等-----------------  46件
■事業の成果

高齢化社会の急速な到来に対し、今日、がん脳卒中等成人病の研究と同様、老人性痴呆の研究が最大の課題となっており、痴呆性老人は痴呆のみならず、異常行動、精神症状を併せ持つので、家族や施設等でも処遇がむずかしく社会問題となっている。
 しかしながら、痴呆性老人の研究は、がんや循環器疾患の研究費に比べると著しく乏しい現状にあり、この解明は緊急の課題となっている。このため本事業により高齢者の医学医療に関する研究の助成等を行ったことは高齢者特に痴呆性老人の保健、医療福祉の向上に寄与するところ大なるものがある。
 また、看護・介護職員に研究の助成を行った結果、高齢者、慢性疾患のケア及びリハビリテーション等の知識・技術水準の向上に寄与したものと思われる。
 さらに、在日外国人留学生に対する研究の助成を行った結果、日本留学の成果に寄与し、国際親善にも寄与したものと思われる。





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