
■事業の内容
(1) コンファレンスの開催 [1] 開催期間 平成6年3月9日(水)〜11日(金) [2] 開催場所 パシフィコ横浜・会議センターメインホール及び3階会議ホール [3] 開催日数 3日間 [4] 講師人数 国内 16名(特別/基調講演者5名、パネリスト11名) 海外 9名(特別/基調講演者3名、パネリスト6名) 司会者 5名(国内3名、海外2名) 合計 30名(国内19名、海外11名) [5] 参加人員 有料参加者 381名 有料参加者及び招待者の合計 特別講演 523名 第1セッション 448名 (テーマ「資源・エネルギー輸送の展望」) 第2セッション 453名 (テーマ「商品雑貨輸送の将来展望」) 第3セッション 437名 (テーマ「安全・環境問題との調和」) 第4セッション 466名 (テーマ「造船業は如何に対応し、如何にあるべきか」) [6] 基本テーマ a. 近年、先進工業国からNIEs,ASEAN諸国への生産拠点の移動に端を発し始まった、世界経済のボーダーレス化は、東西冷戦構造の終結等とも相まって、ヒト・モノの流れを従来にも増して活発化させてきている。世界はアジア、米大陸、欧州の三極の地域経済圏の形成を経て、世界統合市場へと向かいつつある。 b. こうした中で、海運の基本的役割の一つである資源・エネルギー輸送においてはその需給構造の変化に応じた輸送が求められ、また、特に経済活動のグローバル化・ボーダーレス化に伴う商品・雑貨輸送の活発化を契機とした輸送の高速化などの課題についても海運として的確に対応していく必要がある。 c. 本コンファレンスては、世界統合市場が形成されつつあるとき、その重要なインフラストラクチャーとしての海運、あるいは海洋利用、そしてそれらを支える造船のあるべき姿を安全・環境問題との調和に配慮しつつ議論した。 (2) 船に関する各種イベノト [1] SEVEN SEAS THEATERの開館 a. 開催期間 平成6年3月9日(水)〜13日(日) b. 開催場所 パシフィコ横浜・展示会場 c. 開催日数 5日間 d. 開催回数 3月 9日(水) 7回/日(12:15〜16:15) 3月10日(木)〜13日(日) 10回/日(10:15〜16:15) e. 実施内容 展示会場内の一画に、特設ハイビジョン・シアター(252平方メートル)を設置し、会期中を通じてハイビジョン映像による「水の惑星」(上映時間15分間)、立体ハイビジョン映像「マリファンタジー」(上映時間10分間)の上映を行った。また、シアター入口部分に展示ゾーンを設け、「風の道」と題して海洋写真家中村庸夫氏の帆船写真等20数点を展示した。シアターは鮮明且つ海と人間のかかわりを分かりやすく構成した内容と最新の迫力ある立体映像から来館者の好評を博し、5日間を通して延べ4,200人の来館者を数えた。 [2] 卜ークショウ〜世界の船と遠く・トーク〜 a. 開催期間 平成6年3月12日(土)〜13日(日) b. 開催場所 パシフィコ横浜・会議センターメインホール c. 開催日数 2日間 d. 開催回数 3月12日(土) 1回(14:30〜16:00) 3月13日(日) 2回(10:30〜12:00/13:30〜15:00) e. 実施内容 同ショウは、会場と世界を航行中の船舶とを船舶電話で結び、出演者並びに子供達が船長と船の生活等について対話する内容で実施され、日頃知られていない船内生活等が紹介された。(2日間を通じてコンタクトした航行中の船舶は19隻に及んだ) 子供達の出演については横浜海洋少年団に依頼した他、入場者数は、会場が展示会場と離れていたこともあり、予想を下回り2日間/3回の公演を通じて約1,100人に留まった。 [3] 「船の科学館」及び「横浜港大さん橋」との連絡便の設置 a. 開催期間 平成6年3月12日(土)〜13日(日) b. 開催場所 パシフィコ横浜・展示会場・みなとみらいぷかりさん橋/船の科学館/横浜港大さん橋 c. 開催日数 2日間 d. 開催回数 (a) 船の科学館との連絡便(船) 2往復/日(10:40/13:15) (b) 船の科学館との連絡便(バス) 8往復/日(10:45〜15:30の間) (c) 横浜港大さん橋との連絡便(船)10.5往復/日(10:00〜16:45の間) e. 実施内容 展示会場と船の科学館を結ぶ船の連絡便(シーコムクルーズ社ベイブリッジ号/230人乗り)及び展示会場と横浜港大さん橋を結ぶ船の連絡便(ポートサービス社シーバス/180人乗り)を3月12日、13日の両日運航し、来場者の利便に供するとともに乗船体験を味わう機会を設けた。また、船の科学館との連絡においては、バス便(ケイエム観光社バス4台/50人乗り)を設け船の科学館来場者への交通便の補完を行った。 上記、2隻の船便については、2日間合計でベイブリッジ号が233名、シーバスが3,265名の乗船者を数えた。また、バス便については174名が利用した。 なお、交通便利用者には整理券を発行し、船の科学館との連絡便においては同館の無料入場券も併せ発行して利用者の利便を図った。 [4] 船舶の繋留展示 a. 開催期間 平成6年3月12日(土)〜13日(日) b. 開催場所 横浜港大さん橋:KDDオーシャンリンク パシフィコ横浜・みなとみらいぷかりさん橋:海星、あこがれ c. 開催日数 2日間 d. 開催時間 (一般公開時間) (a) KDDオーシャンリンク 10:00〜15:30 (b) 海星 13:00〜15:30(午前中は体験クルーズ) (c) あこがれ 10:00〜15:30 e. 実施内容 3月12日/13日の両日、横浜市主催・SEA-JAPAN'94実行委員会共催で海底ケーブル敷設船「KDDオーシャンリンク」、訓練用帆船「海星」、訓練用帆船「あこがれ」の一般公開を行った。一般公開には2日間を通じて両さん橋に約21,000人が参集し、内部見学を楽しんだ。また、「海星」については、両日の午前中体験クルーズを実施し、一般公募で当選した95名が帆船の体験訓練に参加し、マスト登り、舵取り、操帆など日頃体験できない船乗り経験を楽しんだ。
■事業の成果
「SEA-JAPAN'94」は、わが国で初めて開催された大規模な国際海事展として3月9日から13日までの5日間パシフィコ横浜において開催され、展示会、コンファレンス、船に関する各種イベントの3事業から構成し実施された。そのうち、展示会については、海外からの出展者が263社と全体ブースの6割以上を占め、国際海事展の名に相応しいものとなり、会期中の来場者も予想を上回り、活発なビジネス交流が行われた。また、コンファレンスについては、内外の著名な専門家による公演・パネルディスカッションが行われ今後の海事産業を考える上での貴重、且つ、有益な意見交換が行われ、参加者の中からいずれのセッションも非常に興味深く有意義なものであったとの意見が聞かれ、成功裡に終了した。さらに、船に関するイベントについては、日頃船に接する機会の少ない人々が多数来場し、様々なイベントを通じて船に対する理解を深め、好評を博した。このように、同展は、単に業界関係者のみならず広く一般の方々も参加する一大イベントとして初めての試みであったが、延べ入場者数約7万人と予想以上の参加を得ることができ、さらには、次回の開催を希望する意見が多く聞かれ、所期の目的を十二分に達成することができた。 また、これにより、国際交流・協調の促進を図ることが出来、広く国民各層に海事産業の果たす重要在役割についての認識向上に寄与するものと思料される。
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