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■事業の内容

本開発研究は、海水浴場等、浅海域における浮遊ゴミ・海底ゴミを効果的に除去するクリーン作業船の開発を目標とし、平成3年度から3ヵ年計画で実施するものである。
 本年度は、昨年度の研究成果をふまえ、実証実験機の試設計、製作及び作動確認試験を行い、これらの成果をとりまとめた。
(1) 実証実験機の試設計
 実証実験機は、予算、工期等の制約から出来るだけ既製品を利用し、下記の点を考慮して試設計を行った。
・ 親水性を配慮すること。
・ 波浪のある浅海域(水深1.5m)を走行すること。
・ 浅海域における浮遊ゴミ及び海底ゴミを回収できること。
・ 安全性を十分考慮すること。
 上記の設計方針に対して、海水浴場での使用を考えて外形は恐竜の形状とし、走行には市販ショベルのクローラ部を流用し、浮遊ゴミ回収にはエダクタを、海底ゴミ回収にはチェーンバケットを用いることとし、安全性については背部から脱出できる構造とした。
(2) 実証実験機の製作
 上記の試設計を受けて、実証実験機を製作した。但し、外形寸法や機器配置については、詳細設計の段階で必要な修正を行うものとした。
(3) 実証実験機の作動確認
 製作した実証実験機について、陸上において,下記の作動確認試験を行った。
・ エダクタによるゴミ吸引試験
・ チェーンバケットの作動確認試験
・ 走行・方向転換試験
(4) 成果のとりまとめ
 上記の研究成果をとりまとめて報告書を作成し、委員ならびに関係機関に配付した。
■事業の成果

本事業は、海水浴場等のゴミ汚染に対処するため、海浜の波打際など比較的水深の浅い場所での浮遊ゴミ及び海底ゴミを効果的に回収することを目的とした「浅海域クリーン作業船」の開発を行うものである。
 平成3年度は、クリーン作業船の要素技術の検討、波強制力の推定計算と安全性の検討及び模型実験による安全性の確認を行い、本年度は、実証実験機の試設計、製作ならびに作動確認を行った結果、性能・機能を有することが確認され、所期の成果を得た。
 これにより、今後の浅海域クリーン作業に対する研究に資するものと思われる。





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