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「バラスト水による有害プランクトン伝播対策の調査研究」の報告書

 事業名 バラスト水による有害プランクトン伝播対策の調査研究
 団体名 日本海難防止協会 注目度注目度5


■事業の内容

(1) 調査の方法
 バラスト水による有害プランクトンの伝播防止方法(リバラスト、安全証明の発効及び物理・化学的シスト殺滅)について平成3年度に実施した調査研究結果から抽出された検討課題を考慮して、本年度はシスト殺滅未実験化学物質の実験を行って、実用可能と考えられる化学物質を選出し、その化学物質について分解性、鉄腐食性及び発癌性物質の生成などに関する実証実験を実施して安全性をチェックする。また、リバラストについては、船体の安全性に関するさらなる検討を行うため、実際のオーストラリア就航船のリバラスト時の安全に関する各特性値の測定・計算を行い、安全性について詳細に検討した。
 これらの調査結果を総合的に整理し、バラスト水による有害プランクトンの伝播防止のための最も有効かつ経済的な方法を確立するための資料を作成した。
[1] 委員会による研究
 学識経験者、関係団体及び関係官庁等で構成する「有害プランクトン対策委員会」を設けて、下記のとおり検討した。
a. 第1回委員会を開催して、次の事項を検討した。
(a) 本年度調査研究方針について
(b) その他
b. 第2回委員会を開催して、次の事項を検討した。
(a) 本年度調査研究の中間報告について
(b) 安全証明に関する危険基準検討調査変更実施計画書について
(c) その他
c. 第3回委員会を開催して、次の事項を検討した。
(a) 本年度調査研究報告書案について
(b) その他
[2] 委託研究
 バラスト水による有害プランクトンの伝播対策に関する調査研究業務に関して委託して実施した。
(2) 調査項目及び内容
[1] シスト殺滅実験による実用可能化学物質の最終選出
 暫定3物質である過酸化水素、次亜塩素酸ソーダ、ホルマリンを用いた、Alexandrium属に対するセディメント中のシスト殺滅実験及び遊泳細胞に対する殺滅実験結果により、薬品の殺滅有効性の誤差を加味した実用濃度は、次のとおりである。
過酸化水素の誤差を加味した実用濃度‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐ 50mg/l以上
次亜塩素酸ソーダの誤差を加味した実用濃度(有効塩素濃度)‐‐100mg/l以上
ホルマリンの誤差を加味した実用濃度‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐ 50mg/l以上
[2] 上記化学物質を実用化するための各種安全性のチェック
 鉄腐食性の高い順位は、次のとおりである。
 ホルマリン>次亜塩素酸ソーダ>過酸化水素
 エポキシコーティング等の防食対策をしていれば、上記濃度以下の場合問題ないと思われた。
 また、ラットを用いた経口毒性を考えた場合も、使用時の防御(手袋、マスク、メガネ等)を配慮すれば問題ないと思われた。
[3] リバラストの実施に伴う船体の安全性の詳細な検討
 長大な船型や大容量のバラストタンクの場合がリバラスト実施困難となる可能性が高いことが指摘された。また、特に、荒天時において、スラミングレーシング及びスロッシング等の発生が懸念されることから、気象・海象上、安全なリバラストの実施が困難となる可能性の高い海域を整理し、リバラストに伴うプランクトン広域化の問題と合わせた想定図を作成した。
(3) 報告書の作成
 調査研究結果を取り纒め、報告書を作成した。
[1] 部数 :200部(コピー製本)
[2] 配布先:委員、関係官庁、その他
(4) 委員会の開催
 有害プランクトン対策委員会  3回
■事業の成果

本事業の目的とするバラスト水による有害プランクトンの伝播対策確立に関して、国際海事機関(IMO)ガイドラインに沿った方法の中から、有効かつ経済的な方法について多方面から検討を行った結果、現時点で実行可能と考えられる対策案を作ることができた。実際の運用に際しては、更に数多くの実験データの裏付けが必要であるが、科学的根拠に基づいた「安全証明」及び「化学薬品処理」によるバラスト水管理の具体的な対策方法は、今後のIMOでの審議に反映できるものであり、また、オーストラリアの自主規制への対応に苦慮している船舶関係者が将来の参考として、いずれも調査研究の所期の目的を満たすものであって、十分な成果を得たものと思われる。





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更新日: 2019年8月10日

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