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■事業の内容

国内におけるばら積み固形物質の海上輸送の実態並びに海洋環境へ与える影響について調査研究し規制のあり方を策定するとともに、IMOの国際会議での我が国の対処方針の策定に寄与することを目的として実施した。
(1) 調査の方法
[1] 委員会による検討
 学識経験者、関係団体及び関係官庁等で構成する「新附属書<6>対策委員会」を開催し、次の事項について検討した。
a. 溶解性物質及び非溶解性物質の海洋環境影響評価
b. 有害ばら積み固形物質の海洋投棄基準及び規制方法
[2] 委託研究
 附属書<6>に関する「ばら積有害固形物質の海洋環境に及ぼす影響の調査研究」について、千代田デイムス・アンドムーア(株)に委託して実施した。

(2) 調査項目及び内容
 当協会の研究結果及び国際会議での動向を踏まえて、海洋環境に影響を及ぼす可能性の強いばら積み固形物質を対象として、貨物の積み揚げ現場で発生する残留貨物の量の測定及び試料の採取を行い、対象物質の性状分析などを含む科学的な根拠に基づいた海洋環境への影響評価を行い、ばら積みで運送している固形物質の海洋への投棄基準及び規制の方法について調査研究を行った。
[1] 残留貨物(荷紛)の採取及び性状分析
a. 訪船、現場調査を行い、残渣物質試料の採取を行った。
b. 採取試料の分析を行い、ばら積み固形物質の特性データを得た。
[2] 物質特性データの整理
 採取試料の分析実験から得られた物質特性データの整理を行った。
[3] 溶解性物質及び非溶解性物質別の海洋環境影響評価
 特性データの整理結果を基に、海洋環境に及ぼす影響評価(平成2年度調査結果)の見直しを実施した。
[4] 有害ばら積み固形物質の海洋投棄基準及び規制方法の検討
 訪船、現場調査結果及び分析結果から得られた特性データの整理結果を基に、海洋影響評価を行い、これにより有害ばら積み固形物質の海洋投棄基準及び規制方法の検討を行った。

(3) 報告書の作成
 調査研究結果を取纒め、報告書を作成した。
[1] 部数 :200部(コピー製本)
[2] 配布先:委員会及び関係官庁、団体、図書館、教育機関等

(4) 委員会の開催
新附属書<6>対策委員会  4回
■事業の成果

平成3年度調査では、2年度の調査結果をふまえて、これまでの調査結果に厳密に再調査、再評価すると共に、海上処分量の多い物質の中から海洋環境への影響の大きいと思われるものを選び、海水中での化学的性状を把握するための分析実験を実施した。本年度は、本調査研究の最終年度に当たり、海上輸送に伴い投棄されるばら積み固形物質による海洋環境への影響をより正確に推定できるようにし、海洋環境保全対策並びに国際会議等に対する我が国の対処方針の策定に寄与するものと思われる。





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