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■事業の内容

(1) 海洋開発関連の国際会議・展示会への出席
[1] OTC'91調査について
a. 派遣した職員の氏名
海域開発研究部  主幹 宮崎武晃
b. OTC'91調査について
(a) 期間   1991年5月5日(日)〜17日(金)
(b) 場所   ヒューストン(アストロドーム)
(c) 共催   MTS(Marine Technology Society)を含む米国の12の海洋開発関連学・協会
(d) 会議・展示会の参加名数
約20,000名
(e) 論文発表会  49のセッション、240件の論文が発表された。
(f) 展示会  22カ国402団体から展示物が出品された。
c. 研究機関等の調査・視察
(a) テキサスA&M大学
 調査船、ROVを運用して地質調査及び研究を行っている。
 深海掘削船「JOIDES RESOLUTION号」の運用を行っており、深海からのコアを採取するための機器開発を特に行っている。
(b) ラモント・ドハティ地質研究所
 主な研究は、地震予知、地球科学、海や大気の汚染、地球環境の変化、海洋大気の三次元モデル、海洋底からのコアサンプルを用いた地球変化等であり、深海掘削船が採取した大西洋側のコアサンプルを保管している。
(c) ベドフォード海洋研究所
 カナダ国の大西洋側にあり、大西洋と北極域に関する研究を行っている。研究は、海洋物理、化学生物、海底地質を初め大気・海洋の相互作用まで広範囲に行われている。
(d) スクリップス海洋研究所
 カリフォルニア大学サンディエゴ分校の付属研究所で米国有数の海洋研究所であり、特に沿岸開発の研究を行っており、水族館をも運用している。
[2] ROV'91調査について
a. 派遣した職員の氏名
深海開発技術部  副主幹 岡田  裕
副主任 渡辺 和夫
〃  鷹尾伏 昭
 このうち、補助事業対象者1名  副主幹 岡田  裕
b. ROV'91調査について
(a) 期間  1991年5月16日(木)〜27日(月)
(b) 場所  ホリィウッド
(c) 共催  ROV Commitee及びMTS
c. 研究機関等の調査・視察
(a) WHOI(ウッズホール海洋研究所)
 平成4年の海洋科学技術センターとの共催である「潜水船の救難に関するシンポジウム」についての打合せを行った。
[3] MTS'91調査について
a. 派遣した職員の氏名
深海開発技術部  部長 藤井 弘道
b. MTS'91調査について
(a) 期間   1991年11月5日(火)〜19日(火)
(b) 場所   ニューオーリンズ(コンベンションセンター)
(c) 共催   Marine Technology Society(MTS)の主催を含む米国の7の海洋開発関連学・協会
(d) 会議・展示会の参加者教
約1,500名
(e) 論文発表会  49のセッション、231件の論文が発表された。
(f) 展示会  156団体からの展示物が出品された。
c. 研究機関等の調査・視察
(a) インターナショナル・アンダーウォータコントラククーズ社
 1962年の設立以来、水中工事を中心に活躍している。元来、ダイバーによる水中工事であったが、ダイバーロックアウト式の潜水機器、潜水調査船及び無人探査機を保有し、水中検査、浚渫、他団体等と協力してダイビングの訓練等を実施している。
(b) ウッズホール海洋研究所
 Autonomous Benthic Explorer(ABE)及び無人探査機(ROV)のArgo-Jasonシステムを改良したMedia-Jasonシステムの開発について調査した。
(c) テキサス大学
 テキサス大学の付属研究所であるARL(Applid Research Laboratories)は、水中音響に関する研究が中心で、高分解能障害物探知ソーナ、音響測距システム等の研究開発を行っている。
(d) ハーバーブランチ社
 1976年の設立以来、ダイバーロックアウト式潜水艇を用いて、マリンスノー、水中生物等の潜水調査等を実施している。
(e) ハワイ大学水中調査研究所
 Hawaii Undersea Research Laboratory(HURL)は、ハワイ大学と米国商務省NOAAとの共同で設立された研究所で、潜水艦及び無人探査機を使用した水中調査手法の研究を行っている。

(2) 海外の研究者・技術者の招へい
[1] 招へい研究者氏名
オーストラリア海洋科学研究所 所長 Dr.Joseph T. Baker
[2] 招へい中における検討結果
a. 招へい期間中、当センターが主催する国際シンポジウム「海洋研究開発の新たな方向」において、演題「オーストラリア海洋科学研究所における学術的海洋研究」についての講演が行われた。内外から、海洋研究開発に関心のある人が多数聴講した。
b. オーストラリア海洋科学研究所の研究活動の概要説明があり、特にサンゴ礁海域における海洋調査、サンゴの生息環境調査等について、貴重な助言があった。
[3] 招へい研究者氏名
太平洋海洋環境研究所  Nancy Soreide
[4] 招へい中における検討結果
a. 招へい期間中、当センターの電子計算機を用いて、海洋調査等で得られた観測データの処理及び解析手法について、貴重な助言があった。
b. 合理的なデータベースの作成方法等について、貴重な助言があった。
c. 最近の米国におけるデータ処理技術の動向について聴取した。

(3) 国際協力の推進について
[1] ウッズホール海洋研究所等訪問
a. 派遣した役職員の氏名
役 員  理 事  林 正夫
b. 国際協力の推進の内容
(a) 5月13日(月)WHOI(ウッズホール海洋研究所)において、研究者の確保、研究の管理体制、資金、研究の広報活動等、事務的面の打合せを行った。
(b) 5月8日(水)テキサスA&M大学を訪問し、深海掘削の研究動向について意見交換を行った。
(c) 5月10日(金) ラモント・ドハティ地質調査所を訪問し、海洋開発に係る研究動向について意見交換を行った。
(d) 5月15日(水) 米国サンディエゴにあるスクリップス海洋研究所を訪問し、海洋開発に係る研究動向について意見交換を行った。
[2] ウッズホール海洋研究所等訪問(その2)
a. 派遣した職員の氏名
深海開発技術部  研究主幹 服部 睦男
研究主査 野本 昌夫
このうち、補助事業者1名  研究主査 野本 昌夫
b. 国際協力の推進の内容
(a) 平成4年2月19日(水)〜30日(日)の間、WHOI(ウッズホール海洋研究所)において、海洋科学技術センターとWHOIとの共同研究で進めている自律型海底探査機(ABE)の全体計画の進め方等について打ち合わせた。
(b) 海洋科学技術センターで開発しているVIDEO SUBSYSTEMをABE本体への組み込みのためのソフトウェア、インターフェース等の調整について打ち合わせた。
■事業の成果

平成3年度においては、[1]OTC'91会議・展示会及び米国の海洋開発関連機関、[2]ROV'91会議・展示会及び米国の海洋開発関連機関、[3]MTS'91会議・展示会及び米国の海洋開発関連機関の調査等を実施し、最新の技術動向を調査した。
 その結果、当初予期した以上の技術情報、資料の収集を行うことができ、特に、現在当センターが進めている10,000m級無人探査機の研究開発等、先端的研究開発事業の推進にとって、極めて重要なデータや情報が得られた。
 また、海外からの研究者・技術者の招へいについては、オーストラリア海洋科学研究所から所長を招き、オーストラリア海洋科学研究所の研究活動状況及びサンゴ礁海域における調査等について、また、太平洋海洋環境研究所からデータ処理の専門家を招き、海洋観測等で得られたデータの処理及び解析手法について意見交換を行い、指導・助言を受けた。
 さらに、国際協力の推進については、米国の主要な海洋研究所の一つであるWHOI(ウッズホール海洋研究所)と当センターの協力関係を推進するため、深海潜水調査船を含む海洋調査船等を用いた海洋観測技術、無人探査機による深海底の調査技術等の課題に関する具体的な機器開発、技術動向等の調査及び研究評価を行った。





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