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■事業の内容

(1) 海上防犯活動
 海上における防犯意識の高揚を図ることにより、海上における犯罪の発生を未然に防止し、安全で快適な海上環境づくりを目指すとともに、万一犯罪発生の際は、直ちに適切な対応がとれるよう、海上保安部署への通報体制の確立を図るため、次の事業を実施した。
[1] 海上防犯連絡協議会の運営
 海上保安協会の中央本部に、設置された「海上防犯連絡協議会」を12月5日開催し、海上防犯活動についての事業計画を策定するとともに、構成団体及び官下各地方本部に周知し推進した。
a. 構成メンバー
構成団体(9団体、委員9名)
(社)日本船主協会、(社)日本旅客船協会、日本内航海運組合総連合会、
日本タンカー協会、(社)大日本水産会、全国漁業協同組合連合会、
(社)日本船長協会、(社)日本マリーナ・ビーチ協会、(社)日本外洋帆走協会
官庁側委員(7名)
運輸省地域交通局海上交通課長、運輸省貨物流通局海上貨物課長、
海上保安庁警備救難部参事官、同管理課長、同警備第一課長、同警備第二課長、
同海上公害課長、合計16名
b. 審議決定事項
(a) 平成元年度海上防犯活動実施状況
(b) 海上防犯活動実施方針
[2] 海上防犯地方連絡会議の運営
 海上保安協会の地方本部に設置された「海上防犯地方連絡会議」を開催し、海上防犯指導員が行う防犯指導の連絡を行うとともに、海上防犯協議会の策定した事業計画の遂行について協議した。(平成2年5月〜平成3年)
a. 開催地方本部(9ヶ所)
 北海道、東北、関東、神戸、広島、門司、舞鶴、南九州、沖縄の各地方本部
b. 構成員
各地区ごとに14〜17名とし、管内の関連団体及び関係官庁の職員で構成
[3] 海上防犯指導員の配置と防犯活動
 一般旅客船の多い港、海洋レジャーの活発な海域等に係る全国所要の地に所在する当協会の19支部に、海上保安庁の推薦に基づき海上保安協会で委嘱した海上防犯指導員35名により、海上保安部署の指導を受けながら海上防犯活動を実施した。
a. 海上防犯指導員の配置数
小樽2、函館1、塩釜2、青森1、横浜3、横須賀2、名古屋2、鳥羽1、大阪2、神戸3、広島2、尾道1、高松1、門司2、福岡2、舞鶴2、新潟2、鹿児島2、沖縄2(地方本部)計19支部35名
b. 海上防犯活動
 防犯パトロール、訪船指導、旅客船会社の営業所等の巡回連絡、海上における防犯意識の高揚に関する啓蒙活動、海上犯罪認知の際の海保安部署への通報等
c. 海上防犯活動実績(平成2年4月〜平成2年12月まで)
(a) 防犯パトロール   923件
(b) 訪船指導      275件
(c) 連絡所等巡回連絡  146件
(d) 啓蒙活動件数     87件
(e) 通報件数       36件(違反容疑船に関する情報について、海上保安部署へ通報した件数)
    合計      1,467件
[4] 海上における防犯意識の高揚
a. 海上防犯講習会の開催
 海上防犯地方連絡会議の主催により、カーフェリー、海運会社、マリーナ漁協等を対象とし、次の10地区において、海上防犯講習会を開催した。
名古屋地区(東海地方本部) 大阪地区(大阪支部)
多賀城地区(東北地方本部) 福岡地区(門司地方本部)
宇部地区 門司地方本部  函館地区 北海道地方本部
高松地区(広島地方本部)  宮津地区 舞鶴地方本部
江ノ島地区 横浜支部   那覇地区 沖縄地方本部
注. ()内は担当地方本部又は支部を示す
b. 海上防犯ポスターの配布
 海上防犯を呼びかけるポスターを作成して、全国の各地方本部、支部に配布し、カーフェリー・旅客船及び船客待合所・マリーナ等に掲示した。
 なお、地方本部別配布数は次のとおりである。
北海道2,400  東北 1,600  関東2,700  東海1,100
神戸 2,000  広島 2,700  門司2,900  舞鶴1,400
新潟 1,100  南九州1,500  沖縄 600  計 20,000枚
c. 海上保安官連絡所の設置
 アクリル製の看板を作成して、全国の各地方本部、各支部に配布し、管内の営業所・マリーナ等箏に設置した「海上保安官連絡所」に掲示した。
 なお、地方本部別配布数は次のとおりである。
北海道10(60) 東北16(47)  関東16(65)  東海2(27)
神戸5(60)   広島19(79)  門司16(65)  舞鶴6(30)
新潟6(30)   南九州2(41)  沖縄2(20)   計100枚(527)
注 ( )内は既設置数
d. ボールペンの配布
 ボールペン(部署連絡電話番号入り)を購入して、管下各地方本部に配布し、海上防犯指導員を通じて防犯活動に使用した。
 なお、地方本部別配布数は次のとおりである。
北海道495  東北495   関東1,050  東海495
神戸815   広島655   門司655   舞鶴335
新潟335   南九州335  沖縄335   計6,000本
(2) 海上保安の周知・啓発
 海上保安庁音楽隊の派遣を受けて、次のとおり東京地区4か所、地方2か所で一般市民を対象に演奏活動を実施し、海上保安の周知・啓発を行った。
 なお、地方の2か所は、舞鶴地区と広島(呉)である。
■事業の成果

(1) 海上防犯活動
 海上防犯活動事業は3年を経過し、海上防犯指導員の配属された各海上保安部署の指導を受けながら活発に実施され、防犯意識の高揚を図るなど、十分な成果を上げたものと思料される。
[1] 海事関係諸団体の参加を得て、海上防犯活動の推進母体となる「海上保犯連絡協議会」を海上保安協会の中央本部主催で、また、地方における防犯活動の中核となる「海上防犯地方連絡会議」を全国の各地方本部主催で開催され、海上防犯活動を推進したが、構成員である船会社その他海事関係団体の協力を得ることができたことは、安全で快適な海上環境づくりに大きく寄与したものと思料される。
[2] 海上防犯指導員が部署の指導を受けて実施した防犯パトロール、全国10ヶ所で開催した海上防犯講習会、そして全国に配布されたポスター、ボールペン等により、海事関係者は勿論のこと広く一般市民に至るまで、海上防犯思想の普及啓蒙に実効があったものと思料される。
 なお、平成2年4月より12月まで実施された海上防犯活動実績は次のとおりである。
a. 防犯パトロール            923件
b. 訪船指導               275件
c. 海上保安官連絡所等巡回連絡      146件
d. 啓蒙活動件数             87件
e. 通報件数(海上防犯指導員によるもの)  36件
合計               1,467件
[3] 犯罪通報については、「海上保安官連絡所」を介し、又は海上防犯指導員から不審者若しくは密漁事犯等に係る情報が寄せられており、全国に配布された海上保安部署連絡用ステッカーと相俟ってその効果が現われたものと思料され今後より一層の成果が期待される。
(2) 海上保安の周知・啓発
 海上保安庁音楽隊の派遣を受けて、一般市民を対象に海難防止強調運動、国際ボートショー等の行事に併せて演奏会を開催したことは、海上保安の周知・啓発に大きく寄与したものと思料される。





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