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■事業の内容

(1) 調査
[1] 調査の実施方法
 調査は、大手船社5社が運航している自動化船231隻を対象として調査票を配布し、運航中、停泊中における自動化船機器の故障状況について記入させ、回収した。
[2] 調査項目
a. 航海中又は仮停泊中等における機関室の無人化の状況
b. 主機の自動停止、手動停止、自動減速、手動減速等の故障による運航への影響
c. 亀裂、折損、切損、摩耗、変形、固着、閉塞等の故障の内容
d. 振動、疲労、劣化、発熱等の故障の原因
e. 修理、開放掃除、調整、自然復帰等の故障の処置
(2) 評価・解析
 自動化船機器の故障状況調査の実施によって得られたデータの整理・集計結果に基づき、作業部会において主機重故障解析、発電プラント別故障率比較等、次の項目について解析を行い、船舶の自動化に関する基礎データを得た。
(解析項目)
a. 主機重故障解析
b. 発電プラント別故障率比較
c. ディーゼル主機の出力率と故障率の関係について
d. 2サイクル、4サイクル主機関の故障状況比較
e. 故障機器と航海への影響について
f. 近代化船の故障形態について
(3) 報告書の作成
 部数   300部
 配布先  関係官庁、造船関係者、委員等
(4) 委員会の開催
 委員会   1回
 作業部会  3回
■事業の成果

我が国における船舶の自動化は、航法、機関、通信等の広範な分野で進められ、現在係員13名による運航が可能な高度合理化船も実現している。しかしながら我が国海運界は、産業構造の変化、船員費の高騰等による国際競争力の低下という問題に直面しており、これまで以上に自動化、省力化を進めた超自動化船の開発が強く要請されている。このような状況の下で本調査事業により収集、解析された資料は、船舶の運航機器の信頼性、保全性の向上に資する基礎資料として、今後の自動化船をはじめ各種造船及び造船関連技術の発展に大きく貢献した。





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