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■事業の内容

(1) 大都市住民の観光レクリエーション調査
[1] 調査方法
 留置アンケート方法及びオムニバスアンケート方法
[2] アンケート調査対象
 留置アンケートは15才以上の個人で東京都市圏50km居住者2,000人及び大阪都市圏30km居住者1,500人、計3,500人
 オムニバスアンケートは全国18才以上の個人2,000人
[3] アンケート調査内容
a. 留置アンケート
(a) 過去1年間の日帰り観光レクリエーションの実態
(回数、実施月、目的地、行動、同行者、同行人数、費用等)
(b) 過去1年間の宿泊旅行の実態(旅行の種類、実施月)
(c) 過去1年間の宿泊観光旅行の実態(回数、実施月、目的地、目的、行動、同行者、同行人数、費用とその内訳等)
(d) 今後1年間の宿泊観光旅行の希望
(回数、時期、目的、行動、費用等)
b. オムニバスアンケート
 過去6ヵ月間(2ヵ月間ずつ3回)の月別レジャー種類別回数
[4] アンケート調査実施期間
a. 留置アンケート    平成元年10月16日〜10月31日
b. オムニバスアンケート 平成元年10月から平成2年2月の間に2ヵ月毎に3回実施
[5] 調査結果の概要
a. 留置アンケート
(a) アンケート票回収結果
回収数:2,856、回収率:81.6%
(b) 過去1年間の宿泊旅行の実態
参加率:東京77.7%、大阪72.8%
参加回数(参加者一人当り平均):東京3.69回、大阪3.02回
(c) 過去1年間の宿泊観光旅行の実態
参加率:東京65.1%、大阪62.1%
参加回数(参加者一人当り平均):東京2.50回、大阪2.05回
(d) 過去1年間の日帰り観光レクリエーションの実態
参加率:東京61.9%、大阪61.6%
参加回数(参加者一人当り平均):東京6.21回、大阪5.42回
(e) そのほか、「今後1年間の宿泊観光旅行の希望」、「過去1年間の海外旅行の実態」、「海外旅行の希望」等の項目も含め、それぞれについて詳細な内容が明らかになった。
(f) さらに、これらの結果の分析を行うとともに、過去の調査の結果も利用して時系列推移をみたもので、大都市住民の観光実態と希望データが10回20年間分蓄積されたのはわが国唯一で、国、地方自治体、企業等各方面から評価され、大いに活用されている。
b. オムニバスアンケート
(a) アンケート票回収結果
第1回調査回収率67.8%、第2回調査回収率69.3%、第3回調査回収率69.6%
(b) 本オムニバス調査は平成2年度に実施予定の3回6ヵ月分のデータと共に取りまとめることとしているが、日帰り観光レクリエーションの種類別実施回数のデータは本調査がわが国唯一のものとして高く評価されており、2年度の報告書の公表が各方面から期待されている。
[6] 報告書の作成
a. 部数   300部
b. 配布先  関係省庁、地方公共団体・観光協会、日観協会員等
(2) 滞在型観光地の整備・運営に関する調査研究
[1] 調査方法
a. 郵送アンケート方法
b. 現地実態調査
c. 資料文献調査
[2] アンケート調査対象
 全国316市町村 総合保養地域整備法指定市町村……162
〃  非指定市町村……154
[3] アンケート調査項目
a. 市町村の概要
b. 滞在型観光関連プロジェクト計画の動向
c. 滞在型観光開発に対する期待と危倶
[4] 現地実態調査
a. 調査対象地5ヶ所(クラブメッドサホロ(北海道新得町)、妙高パインバレー(新潟県妙高村)、宮崎県のリゾート(県内各地)、静岡県東伊豆町、福島県猪苗代町・磐梯町)
b. 実態調査の内容(施設、地区の概況把握、関係者ヒアリング、関係資料収集等)
[5] 調査結果の概要
a. 滞在型観光地整備・運営の視点の確立
 わが国における滞在型観光地の目指すべき方向、将来需要予測など
b. 滞在型観光地整備のあり方の提言
 滞在型観光地のコンセプト、環境、活動メニュー、個々の施設整備のあり方など
c. 滞在型観光地運営・サービス手法のあり方の提言
 事業主体、運営主体、財源確保、イベント、利用システム、料金システム、人材確保、施設・環境の育成と維持のあり方など
d. 滞在型観光地整備と地域開発のあり方の提言
 地域への波及効果、既存の観光地との関連、集落・都市との関連と調和、既存観光地における滞在型観光のあり方など
 これらによって、日本にふさわしい滞在型観光地(日本型リゾート)の計画、整備、運営の手法が明らかとなり、今後のリゾート地整備に各方面で活用されることが期待される。
[6] 報告書の作成
a. 部数   300部
b. 配布先  関係省庁、地方公共団体・観光協会、日観協会員等
(3) 宿泊施設の経営のあり方に関する調査研究
 宿泊施設の設備面、運営面について国内・国外の現状を把握し、これからの宿泊施設にどのような機能が望まれているかを掴み、国民のニーズに応えた宿泊施設の整備の方向を明らかにした。
[1] 調査検討内容
a. 宿泊施設の設備の現状調査
 国内の現状についてのアンケート調査および諸外国の現状についての資料等に基づく調査。
b. 宿泊施設の運営の現状調査
 国内の現状についてのアンケート調査および諸外国の現状についての資料等に基づく調査。
c. 望ましい宿泊施設のあり方に関する研究
 現地調査等に基づく研究
[2] 調査研究方法
 調査会社、財団法人日本交通公社に調査研究を委託して実施した。
 学識経験者をもって構成する委員会を5回開催し、方向づけを行い報告書としてまとめた。
 現地調査を行った。(日本観光協会2箇所、日本交通公社5箇所)
[3] 報告書の作成
a. 規格及び部数  B5判 オフセット印刷 300部
b. 配布先     関係省庁、地方自治体、会員等
[4] 委員会
 委員会は5回開催した。
委員長  溝尾 良隆  立教大学社会学部観光学科教授
委員   稲垣  勉  立教大学社会学部観光学科助教授
伊崎 恭子  (株)アイ出版企画代表
柴田 陽三  (株)観光企画設計社代表取締役
加藤 寛二  (株)翼建築設計事務所代表取締役
山口 祐二  富士屋ホテル株式会社副社長・総支配人
横溝  博  (株)レジャー産業研究所代表取締役社長
(4) 観光活性化要因に関する調査研究
 観光地活性化要因に関する調査研究における、調査方法及びその内容は次の通りである。
[1] 調査方法
 調査方法は、次のように行った。
a. 既存資料・文献調査研究
b. 現地調査
[2] 現地調査対象地
 現地調査対象地は、次の8観光地を取り上げた。
 ・ 那須温泉(栃木県那須町)
 ・ 丸子温泉郷(長野県丸子町)
 ・ 出雲大社(島根県大社町)
 ・ 飛騨高山(岐阜県高山市)
 ・ 熊本(熊本県熊本市)
 ・ 妙高高原(長野県妙高高原町)
 ・ 阿字ヶ浦海岸(茨城県那珂湊市)
 ・ 賢島(三重県阿児町)
[3] 現地調査内容
 現地調査は、主に次のような内容を調査した。
 ・ 観光客の推移
 ・ 観光資源・施設の状況
 ・ 観光振興の推移
 ・ 人口、産業等の社会状況の推移
 ・ 観光地の発展過程における問題点とその解決策
 ・ 観光振興における経済等の波及効果
[4] 現地調査の実施期間
 ・ 平成元年8月から平成2年1月まで
[5] 調査結果の概要
a. 観光振興の概況と観光地発展過程の推移
b. 活性化要因の把握及び分類とその変化の内容
c. 地域経済・社会等への波及効果とその評価
 これら調査結果により、基本的な観光地発展過程における変化要因の分類とその効果が把握され、観光地づくりのよりよき方向を考えるための基本的なデータがまとめられた。
[6] 報告書の作成
a. 部数   300部
b. 配布先  関係省庁、地方公共団体・観光協会、社団法人日本観光協会会員等
■事業の成果

生活の豊かさの向上をめざして官民共に観光レクリエーション施策に取り組んでいる近年の状況に対して、その基礎となる資料が整備されたことは、次のような効果が期待され、本事業の成果はきわめて高く評価されると思われる。
[1] 運輸政策審議会においてはこの度初めて観光政策が議論されることとなり、実態資料として活用される。
[2] その他国各省庁において展開している余暇活用、産業振興等の観点からの観光レクリエーション施策の裏付け資料として本事業の成果が活用される。
[3] 地方自治体においては特に地域振興の観点から観光レクリエーション施策を展開しており、本事業の成果は総合的な幅広い視点にたった実態や計画整備運営手法を明らかにしていて高く評価され活用される。
[4] 民間企業においては、実態資料、計画手法ともに蓄積が乏しいことから、その事業展開に際して本事業の成果は大いに活用される。





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