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「航路標識システムの開発に関する調査研究」の報告書

 事業名 航路標識システムの開発に関する調査研究
 団体名 日本航路標識協会  


■事業の内容

(1) 走錨発生の予測に関する調査研究
[1] 委員会による検討
 委員会を2回、作業部会を3回開催して調査研究の手順、方法等を指導、助言するとともに、成果の検討評価、研究のまとめを実施した。
a. 研究方針、手順の検討
b. 映像併合器機能の確認法
c. 走錨発生要素と要素間の関連
[2] 映像併合器の機能確認
 併合機能を調査するため海上保安庁の協力を得て、東京湾海上交通センター(観音崎レーダー局)の映像分離データを昭和63年9月24日収録し、分離した一隻の船舶映像について各種のパラメータによる併合処理を行い、映像比較法による機能確認を実施した。
[3] 走錨事例による基本ソフトの確認
 62年度に試作した基本ソフトウエアを使用して風向風速を入力し、数値の変更をくり返して走錨確率を試算することにより基本ソフトウエアの機能確認を行った。
[4] 錨泊船の走錨確率の算出
a. 前項の基本ソフトを使用し、錨泊状況、底質等の要因を入力して、海域全体の走錨確率、走錨予想隻数を求め、較正をくりかえして海域の走錨可能率を試算した。
b. 次に船種等を想定入力して走錨確率が最大の船種を求める試算及び指定船舶の走錨可能率を試算した。
[5] 報告書の作成
a. 規格   A4判 212頁
b. 数量   100部
c. 配布先  関係官庁、関係団体、賛助会員等
(2) 新方式レーダービーコン装置に関する調査研究
[1] 委員会による検討
 委員会を4回開催して調査研究の手順、方法等を指導、助言するとともに、本年度研究の成果のまとめを実施した。
a. 研究方針、手順の検討
b. 識別方式の比較検討
c. レーダービーコン装置の開発基準の決定
d. 研究成果のまとめ
[2] 周波数識別法の検討
 相手船舶をその送信電波により特定するための周波数識別方式について周波数識別精度(周波数分解能)を調査検討し、3種の周波数弁別回路の比較検討を行って、相手船舶と同一周波数で応答信号を発射可能な周波数の識別法を作成した。さらに周波数の変化を位相の変化に変換する周波数弁別回路を組み、検証を行った。
[3] 繰返し周波数識別法の検討
 周波数識別法とあわせて、船舶を特定するためパルス繰返し周波数とパルス幅の範囲について検討し、また、両者の識別結果とその利用法について比較、検討し、パルス幅識別法を作成した。
[4] サイドローブ識別法の検討
 メインローブとサイドローブを区分けし船舶のレーダー指示器上の不要信号(サイドローブ)を軽減するため、舶用レーダーの空中線特性、サイドローブの発生距離、発生時間について調査検討し、サイドローブ識別法をまとめた。
 さらに、レベル検出回路を組み、検証を行った。
[5] 試験装置の回路設計
 試験装置のうち、周波数識別部、パルス識別部及びサイドローブ識別部の回路設計を実施した。
[6] 報告書の作成
a. 規格   A4判 75頁
b. 数量   100部
c. 配布先  関係官庁、関係団体、賛助会員等
(3) 航路標識用新光源に関する調査研究
[1] 委員会による検討
 委員会を4回開催して、設計、試作、実験方法を指導し、成果のまとめを行った。
a. 研究方針の検討
b. 基礎資料による検討
c. 実験方法の検討
[2] 灯器システムの試作、実験
a. LED(固定光源)灯器システムの耐候性実験
 連続通電試験、屋外暴露試験、連続高温試験による光度の低下、及び灯器の劣下等を調査してその結果を解析した。
b. HIDランプ(単色光源用放電灯)及び同灯器システムを試作して光度、色度、温度、電流、電圧等の測定、起動、振動及び寿命テストを行いその結果を解析した。
c. 放電灯用点滅システムについてHIDランプ螢光灯、キセノン灯の資料により、設計方針を検討した。
[3] 中間報告書の作成
a. 規格   A4判 129頁
b. 数量   100部
c. 配布先  関係官庁、関係団体、賛助会員等
(4)IALA理事会への出席
[1] 第70回IALA理事会は、昭和63年4月20、21日フランス(パリ)において開催された。当協会から総務部長が政府委員の補助者として出席し、参加各国と技術上の情報交換を行い、国際的な動向把握につとめた。
 なお、議題は、下記の通りであり、これ等について報告し、また討議された。
a. 会員の加入、退会について
b. 関係国際会議の報告
IAIN(国際航海学会)・IMPA(国際パイロット協会)等
IMO(国際海事機関)・ITU(国際電気通信連合)等
c. 他の国際機関との協同研究
d. 次期IALA総会について
e. IALA技術委員会について
海上標識システム技術委員会・電波航法システム技術委員会等
f. IALA刊行物について
g. 会計について
h. その他
[2] 第71回理事会は昭和63年11月18日・19日にフランス(パリ)において開催された。当協会から総務部長が政府委員の補助者として出席し、参加各国との技術上の情報交換を行い、国際的な動向把握につとめた。
 なお、議題は下記の通りであり、これ等について報告し、又は討議された。
a. 会員の加入、退会について
b. 関係国際会議の報告
VTS(船舶交通管理システム)シンポジウム・IFSMA(国際船長協会)
c. 国際海事機関等の共同研究
IMO(国際海事機関)・ITU(国際電気通信連合)等
d. IALA総会ほか関係会議について
e. IALA憲章について
f. IALA技術委員会における検討結果について
海上標識システム技術委員会・電波標識システム技術委員会
g. IALA刊行物について
h. 会計について
i. その他
[3] 期間
第70回理事会  63. 4.18〜63. 4.23
第71回理事会  63.11. 5〜63.11.11
[4] 報告書の作成
a. 規格   A4判 約20頁
b. 数量   60部×2種
c. 配布先  関係官庁、関係団体、賛助会員等
(5) 開発途上国の航路標識技術協力のための調査研究
 我が国としては、地理的、歴史的にも関係の深いアジア、太平洋地域の開発途上国について、航路標識に関する基礎調査を行い、この分野における国際協力の推進を図ることとし、本年度は、毎年当協会が実施している航路標識集団研修への参加を通じて我が国の航路標識技術に強い関心を持っている南太平洋諸国における航路標識の現状、整備計画等の調査を行い、この分野における技術協力を図ることとした。
[1] 調査国   バヌアツ、パプアニューギニア及び在フィジー日本大使館
[2] 調査人員  2名
[3] 調査月日  昭和63年10月15日〜11月3日
[4] 調査事項  周辺海域、主要港湾及び狭水道等の調査。
[5] 報告書の作成
a. 規格   A4判 97頁
b. 数量   100部
c. 配布先  関係官庁、関係団体、賛助会員等
■事業の成果

(1) 走錨発生の予測に関する調査研究
[1] 映像併合器の機能確認
 海面反射の抑圧処理の結果、条件によっては一隻の船のレーダー映像が複数に分離することがあるのでこれを防止するため昨年度映像併合の試験装置を試作した。
 この併合器の併合状況を観音崎レーダー局の映像を使用して確認したが、この併合器によって分離映像の大部分は併合されることが明らかとなった。
 機能確認は限られた映像について実施したので実用化のためには更に多種多様の分離映像に対する最適パラメータの選定を要するが、荒天時における船舶姿勢の判定が可能であるとの見通しを得た。
[2] 走錨事例による基本ソフトの確認
 基本ソフトウエアの機能確認の結果、走錨の基本要因がほぼ含まれており、事例以外の各要因も使用して走錨確率算出の基本ソフトウエアとして十分使用にたえるものであることが確認できたので、錨泊船の走錨確率の算出に使用した。
[3] 錨泊船の走錨確率の算出
a. 海域の走錨可能率の試算により東京湾における過去10年間の事例を基本とした走錨確率にほぼ合致する算出法が得られる。
このソフトウエアを試用し、校正することにより実用化できると考える。
b. 指定船舶の走錨可能率の試算については、タンカーについて走錨確率が得られたが、他の船種、積載状況等パラメータが多種多様であるので、さらに細密な較正試算を要する。
(2) 新方式レーダービーコン装置に関する調査研究
[1] 周波数識別法
 研究の結果、周波数識別精度は舶用レーダーの送信周波数分布と変動により受信帯域幅できまり、5MHz以下の分解能をもつ識別回路が必要である。この識別分解能を高速で得られる回路としてレーダー周波数の位相比較を基本とするI/Q方式が適しており、応答時間及び周波数弁別機能を基礎実験回路により確認できた。
[2] パルス繰返し周波数
 パルス繰返し周波数による個々の船舶の識別は、レーダー周波数が固定された一連の受信パルスについて行う必要があり、比較的長時間を要するので適さない。これにかわる識別情報としてパルス幅の測定等一個の受信パルスの特徴を利用することが望ましく、パルス幅識別は船舶遠近に対応した符号長での送信に利用できることを確認した。
[3] サイドローブの識別法
 レベル検出回路で同一周波数の受信レベルを比較する方式について基礎実験の結果、本方式のレベル比較回路を使用することによってサイドローブに対応する応答の抑圧が効果的に高速で行われることが確認できた。
(3) 航路標識用新光源に関する調査研究
[1] 固体光源用(LED)灯器システム
 試作した4種類の灯器について、耐候性実験を行った計果、高温試験で若干光度の低下が見られるが、灯器としてはLEDの高信頼性、長寿命、保守の容易さから、今後、太陽電池装置を電源とするメンテナンスフリーの灯器として十分実用化が期待できる。
[2] 単色光源用放電灯(HIDランプ)灯器システム
 出力の小さい60WのHIDランプについて緑光は目標とする高効率の初特性のランプが得られ、赤光は高効率の白色ランプに海上保安庁規格の赤フィルターを使用して、白熱電球を使用した赤色光の5倍以上の効率のランプが得られた。
 このランプを用いた灯器システムとして、回転放物面鏡を用いた二種類の灯器を試作して、非常に高い光度が得られた。
 今後、実用化に向けて灯器システムの寿命試験等を行うが、小出力の赤光及び緑光用灯器としては、非常に効率的な高い光度が得られ、十分実用化が期待できる。
(4) IALA理事会への出席
 IALA理事会へ出席し、参加各国の関係者と意見交換を行い、国際的な動向を把握できたことは、今後の当協会の事業運営上寄与するところ極めて大であると思料される。
(5) 開発途上国の航路標識技術協力のための調査研究
 調査対象国(バヌアツ、パプアニューギニア及びフィジー)へ出向き航路標識、港湾、航路の整備を担当する政府機関、航路標識を利用する立場にある海運、水産行政を担当する政府機関、その他日本国大使館等関係機関を訪問し、情報及び資料の収集並びに関係施設の調査を行ったことは今後当協会が開発途上国の航路標識に関する技術協力の実施に大きく寄与するものである。





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