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■事業の内容

<1>. アジア、アフリカ等におけるらい対策研究及び援助
1. 技術者研修
1-1) 海外技術者研修(笹川財団フェローシップ及びスカラーシップ)
各国の要請を慎重に審議の上、下記のとおり実施した。
フェローシップ
[1]国名 [2]人員 [3]派遣期間 [4]研修者氏名 [5]研修実施国
韓国 1 自62. 4. 1至63. 3.31 Dr.Hae-Yung Lee 韓国国立医療センターにて研修
タイ 1 自62. 4. 1至63. 3.31 Miss JesdawanWichitwechkarn 米国ミネソタ大学にて研修
韓国 1 自62. 4. 1至63. 3.31 Dr.Jang-Kyu Park 日本・順天堂大学において研修
インド 1 自62. 4. 1至63. 3.31 Dr.Irene Lata 英国・ロンドン大学にて研修
Ms.Purna DeviShrestha インド・シフリンらい研究研修所にて研修(らい看護)
ネパール 2 自63. 1.18至62.12.26 Mr.Gopal LalShrestha インド・シフリンらい研究研修所にて研修(らい予防管理)
インド 1 自62. 4. 6至62. 4.25 Dr.V.P.Bharadwaj 日本・国立多摩研究所にて研修
中国 1 自62. 7. 6至63. 3.31 Dr.Sung-ru (宋 玉如) 日本・順天堂大学において研修
フィリピン 1 自62. 5.14至62. 5.27 Dr.Rudolfo M.Abalos 日本・東京大学医科学研究所にて研修
インドネシア 2 自62. 7. 4至62. 8.15 Dr.HidayatDr.Aryono インド・シフリンらい研究研修所にて研修(らい医学)
タイ 2 自62. 7. 4至62. 8.15 Dr.Chaivut PanditDr.BoonnumLimogkol インド・シフリンらい研究研修所にて研修(らい医学)
インドネシア 3 自62. 7. 5至62. 7.18 Dr.BurhanudinDr.A.MulinDr.Thees タイ及びフィリピンにおける研修
ザンビア 2 自62. 9.14至62.11.14 Mr.K.J.KantuMr.S.K.Musonda エチオピア・ALERTにおける研修
フィリピン 4 自62.10.17至62.10.31 Dr.Consuelo D.ArnasDr.Jesus E.AbellaDr.Conrado K.Galsim.Jr.Dr.Eelicito F.Aniceto タイ及びインドにおけるMDT実施状況視察研修
タイ 3 自62. 3. 7至62. 3.27 Mr.Supavan PurakomMr.Prateep ChiyakulMr.Grasae Snarnkoon タイ及びインドネシアにおける研修
中国 8 自63. 2.29至63. 3.14 Dr.Duan Zhong-dong (段 忠東)Dr.Huang Xian-jun (黄 献軍)Dr.Li Bing (李   )Dr.Li Jian (李  建)Dr.Mao Zhong-qi (毛 忠埼)Dr.Wu Yu-zhen (呉 育珍)Dr.Yang Chun-hua (楊 春華)Mr.Xing Gao-yan (刑 高岩) 日本・ 国立療養所多磨全生園 国立多摩研究所 大阪大学微生物病研究所 国立療養所沖縄愛楽園 沖縄県ハンセン病予防協会 国立療養所宮古南静園


計33名

スカラーシップ
[1]国名 [2]人員 [3]期間 [4]氏名 [5]教育施設
ネパール 20 自62. 4. 1至63. 3.31 1. Subhadra Chapagain 2. Gauri Dhimal 3. Hom Kumari Thapa 4. Lali Maya Danuwar 5. Draupati Magar 6. Sobha Khanal 7. Gyunn Maya Chhetri 8. Urmila Rawal 9. Tila Magar10. Sarita Lama11. Devak Paudel12. Krishna Vishwakarma13. Surya Hamal14. Lal Bdr.Nepali15. Basanta Karkee16. Kumar Gurung17. ※Niru Pariyar18. ※Chhab Bahadur Basnet19. ※Budeli Man Nepali20. ※Biswa Nath Jaishi ネパール救らい協会学園※印はポスト・グラジュエート・コース進学者

計20名
1-2) 海外専門家技術者研修
(1) 中国国内セミナー(全中国らい防治工作会議)
 開会式には何界生副大臣、馬海徳衛生部顧問、張義荒地方病防治局長も出席され、この会議が笹川良一氏及び笹川記念保健協力財団の協力のもとに開催されることに謝意を表し、西暦2000年までに中国かららいを根絶する考えであり、その実現のため本会議は非常に重要であることを強調した。
 引き続き、外国来賓の筆頭として伊藤大阪大学教授(当財団理事)が財団を代表して今後も中国のらい根絶のため協力して行きたいとの挨拶を行った。
[1] 開催場所  雲南省昆明市
[2] 研修期間  62年11月26日〜11月30日、5日間
[3] 参加人員  国内参加者 215名
海外参加者  8名
オランダ救らい協会 1名
ダミエン財団    1名
英国救らい協会   3名
WHO         1名
日本        2名
[4] 討議内容  西暦2000年までにらい根絶を実現させるため下記の事項につき検討:
イ. 中国におけるらいコントロールの現状評価
ロ. MDTの全面的実施のための専門医の強化
ハ. 地域医療従事者の研修強化
ニ. 予防、治療薬等の開発、研究の促進
ホ. リハビリテーションの促進
ヘ. 民間救らい団体との協力
(2) タイ、国内セミナー
 WHOが推奨しているMDTを積極的に実施している同国の実施状況を紹介し、プライマリヘルスケアにおけるMDTの実施について意見交換等を行い、タイにおけるらいコントロールを総合的に強化していくことを目的として下記のとおり研修を行った。
[1] 開催場所  コンケーン
[2] 研修期間  63年3月22日〜3月26日、5日間
[3] 参加人員  150名(行政官も含む医療従事者)
[3] 研修内容  イ. タイ国のらいコントロールの検討
ロ. プライマリヘルケアにおけるMDT実施についての組織立った方法の習得
ハ. らいのリハビリテーションについて官民の協力を推進する。
ニ. 医療従事者及び地方住民に対するらい教育及び啓蒙の方法について研修討議
(3) フィリピン国内セミナー
 MDT/WHOの実施について、保健衛生担当者、医療担当者を対象として、らいの診断法、治療法、副作用、アフターケアー、コントロールの実施方法、コントロール・プログラムの評価検討、記録作成法等につき下記のように研修を行った。
[1] 開催場所  マニラ、セブ、タラ
[2] 研修期間  63年8月
[3] 参加人員  259名  地域行政責任者   30名
地区保健担当官  121名
看護職員     108名
[4] 研修内容  イ. らいコントロールの現状について
ロ. MDT実施の手続きについて
ハ. らいについての啓蒙、教育について
ニ. 保健教育プログラムの推進について
ホ. MDT実施における保健指導者の役割と働きについて
(4) ベトナム国内セミナー
 当財団がらいの化学療法(MDT)に関し、薬品援助及び指導を行っているビン・トリ・チェン、クァン・ナン・ダナン両省におけるMDTの実施に必要な人材の確保を目的とし、MDTについての紹介、実施方法、広報啓蒙活動、統計記録作成等、らいに関する医療及び行政面を含む研修を下記のとおり行った。
[1] 開催場所  ビン・トリ・チェン省、クァン・ナン・ダナン省
[2] 研修期間  5日間
[3] 参加人員  計1,100名  専門医       40名
一般医       40名
検査技師      25名
統計・広報担当者  25名
保健衛生担当者  960名
その他       10名
1-3) 専門家技術者研修
(1) 医学生対象
[1] 研修場所  東京、国立療養所多磨全生園
[2] 研修期間  昭和62年8月24日〜8月29日、6日間
[3] 講師    国立療養所、国立研究所、大学のらい専門家
[4] 研修人員  35名(医学生12名、看護学生4名、医師14名その他らい医療従事者5名)
[5] 研修内容  イ. らい医学の現状について
ロ. らいの治療について
ハ. らいに関する諸研究の現状について
ニ. らいの国際医療技術協力について
(2) 技術協力者対象
[1] 研修場所  東京、韓国
[2] 研修期間  昭和62年8月31日〜9月6日
[3] 参加人員  25名
東北新生園外科医長     森   芳生
〃  准看護婦     高橋   了
〃  准看護婦     石川  恭子
駿河療養所臨床検査技師   杉浦  恵子
松丘保養園園長       阿部 鹿次郎
邑久光明園看護婦長     花田  待子
〃  看護婦長     緒方 りえ子
〃  看護士      清水  泰史
長島愛生園看護婦長     山下  照江
〃  准看護婦     前田  容子
〃  准看護婦     小林 喜久子
栗生楽泉園看護婦      門倉  亨子
大島青松園内科医長     田中   淳
宮古南静園事務長補佐    下川路 博正
〃  看護婦長     仲松  和子
〃  看護婦      新城  充代
菊池恵楓園看護婦長     池田 フミヨ
〃  看護婦      田屋  幸美
〃  ケースワー力ー  緒方  一喜
〃  看護助手     青木  義人
〃  看護婦      本田  直美
星塚敬愛園看護婦      樗木 千鶴子
〃  看護婦長     井野  英子
厚生省保健医療局国立療養所課課長補佐
永井 義之助
笹川財団          飯島  紀子
[4] 研修内容
 韓国・大韓癩管理協会研究院〔(財)日本船舶振興会寄贈〕、国立小鹿島病院、民間らい病院及びクリニック、定着村等を視察し、将来の国際医療協力に備え、現地で下記のとおり研修を行った。
イ. 国際技術協力のあり方
ロ. 国際技術協力の実施方法
ハ. 海外におけるらいの診断、診療等に関する国際的記録統計の作成方法
ニ. 現地の医師、看護婦、検査技師等と合同研修会を開き、問題点につき討議
ホ. 上記の現地研修等を通じて、今後の国際協力への参加について討議
1-4) らいに関する教材の開発及び供与
[1] 教材の制作
教材名 数量 備考
麻風防治手冊 20,000部 中国におけるMDT(らい複合療法)実施の上で手引き書として使用
らい実験化学療法の手引 500冊 IJL(International Journal of Leprosy)Special Issue.0saka Workshop
MDT(らい複合療法)手引書 2,000冊 フィリピンワークショップにて使用


[2] 教材の購入
教材名 数量 購入先 備考
Excerpta Medica 2 エルセヴィア科学出版社 医学文献のダイジェストベトナム     1部財団保存用    1部
Journal of LeprosyIndian Journal ofLeprosy 8 インドらい協会 フィリピン    1部韓国       1部ベトナム     5部財団保存用    1部
Leprosy 30 LeprosyMissionInternational タイフィリピン韓国ベトナムインドネシア
EpidemiologyDiagnosis & Clinical ManifestationReactional States & Their TreatmentEye Manifestation of LeprosyDifferential DiagnosisRrinciples of Leprosy Control 101010101010 ShieffelinLeprosyResearch andTraining CentreCentre ベトナム


2. 現地技術協力
2-1) アジア、アフリカ等における技術協力
派遣国 人員 派遣期間 派遣者氏名及び所属 派遣内容
韓国 1 自62. 4. 1至63. 3.31 看護婦  中村 和子 韓国癩病研究にて看護技術協力のため
フィリピン 1 自62. 6.17至62. 7. 3 国立療養所多磨全生園歯科医師 宇野 公男 ホセ・ロドリゲス病院におけるらい患者歯科診療のため
タイ 1 自62. 8. 5至62. 9. 4 大阪大学微生物病研  高坂健二博士 タイ国立サマサイ研究所における研究指導のため
韓国 5 自62. 8.16至61. 7.31 梅本記念教らい奉仕団歯科医師 平木 良雄山川 守平恩田 信雄西村 敏治平木紳一郎 韓国・国立小鹿病院におけるハンセン病患者歯科治療のため
韓国 1 自62. 8.31至62. 9. 7 事務局長 鶴崎 澄則 韓国定着村建設援助協力打合わせ
韓国 1 自62. 9.20至62.10.19 国立療養所星塚敬愛園副園長  滝沢 英夫 韓国らい患者治寮及び技術指導のため
インドネシア 1 自62.10. 2至62.10. 9 常務理事 湯浅  洋 技術協力打合わせのため
中国 2 自62.11.24至62.11.29 大阪大学微生物病研  伊藤利根太郎教授財団   山口 和子 中国らい国内セミナー出席及び協力打合わせのため
自62.11.29至62.12. 3 事務局長 鶴崎 澄則
中国 2 自62.11.29至62.12. 6 総務係  松本 源二 呉県人民らい病棟建設援助及び国際協力打ち合わせのため
フイリピン 2 自61. 9.14至61. 9.24 国立療養所多磨全生園歯科医師 宇野 公男尾崎 正之 ホセ・ロドリゲス病院におけるらい患者歯科診療のため


計17名
3. WHO/ILEP等らい関係諸機関との協議、連絡及び調整
調査地及び調査機関名 調査員氏名 調査期間
カナダ(ILEP)アメリカ 常務理事  湯浅  洋 自62. 6. 8至62. 6.19
カナダ(ILEP) 事務局長  鶴崎 澄則 自62. 6. 9至62. 6.16
フィリピン 理事    紀伊國献三 自62. 8.11至62. 8.13
スイス(WHO)アメリカ 理事    紀伊國献三 自62.12.10至62.12.17
マルタ、英国(ILEP) 常務理事  湯浅  洋 自62.12. 7至62.12.19
アメリカスイス(WHO) 理事    紀伊國献三 自63. 3.13至63. 3.21

計6名

4. らいに関する基礎及び実地研究
4-1) らいの化学療法に関する国際共同研究
[1] 実施場所  タイ
サマサイらい研究所
プラバダンらい療養所
ノンソンブンらい療養所
フィリピン(セブ)
エバースレー・チャイルズらい療養所
レオナルド・ウッド記念らい研究所
フィリピン(タラ)
ホセ・N・ロドリゲス記念病院
韓国
大韓癩管理協会研究院
国立小鹿島病院
ファティマ病院
[2] 実施内容  イ. 韓国、フィリピン、タイにおいて、この共同研究に登録された約360名の患者の治療、観察を継続
ロ. 研究結果データの収録及び分析をLeonard Wood Memorial研究所(セブ)のコンピューターを用いて行う。
ハ. 5年度(共同研究最終年度)以降の患者の取扱について、特に再発の早期発見に関し討議
4-2) 化学療法国際会議
 昭和62年度化学療法共同研究運営委員会
[1] 開催場所  フィリピン・セブ、レオナルド・ウッド記念らい研究所
[2] 開催期間  昭和62年5月26日〜5月28日(3日間)
[3] 参加人員  11名
韓国(2名)    Dr.Do-Il Kim
Dr.Yong-Ma Hah
タイ(2名)    Dr.Teera Ramasoota
Dr.Surasak Sampatavanich
フィリピン(3名) Dr.Roland V.Cellona
Dr.Marcial P.Carrillo
Dr.Cesar Viardo
日本(1名)    伊藤利根太郎
大阪大学微生物病研究所教授
フィリピン(1名) Mrs.Monina Madarang
財団(2名)    常務理事 湯浅  洋
山口 和子
[4] 開催内容
 フォロー・アップ第3年目に当たる本年度の運営委員会において下記の事項について検討した。
イ. 共同研究の各国における進行状況報告及び問題点の検討
ロ. 研究結果の中間報告及び発表についての検討
ハ. 昭和63年度以降のフォロー・アップの検討
ニ. 予算及び支出の検討
ホ. WHO提唱のMDTの各国における実施状況の報告と、問題点の報告
ヘ. MDT実施状況視察
 この共同研究のまとめは、第13回国際らい学会でDr.Cellonaが代表で発表し、同時にらい学術雑誌“LEPROSY REVIEW”に掲載して発表し、世界のらい関係者に資料として提供する。
5. 薬品機材供与
5-1) アジア・アフリカ等に対する薬品機材供与

対象国 品名 数量 備考
フィリピンタイインドネシア中国ザンビアベトナムインド韓国 治らい薬リファンピシン    300mgランプレン      100mgランプレン       50mgDDS          100mg歯科診療機材顕微鏡(スペア・ランプ付)治らい薬リファンピシン    300mgランプレン      100mg  〃         50mgDDS          100mg顕微鏡マウス・ケージ(カバー、ボトル付)モーターサイクル治らい薬リファンピシン    300mgランプレン      100mgランプレン       50mgDDS          100mgフィールド・ワーク用車両バイク顕微鏡スクリーンスライド映写機オーバーヘッド・プロジェクター治らい薬リファンピシン    300mgランプレン      100mgランプレン       50mgDDS          100mg治らい葉リファンピシン    300mgリファンピシン    150mgランプレン      100mgランプレン       50mgDDS          100mgフィールド・ワーク用バイク治らい薬リファンピシン    300mgランプレン      100mgランプレン       50mgDDS          100mgらい検診用薬品フィールド・ワーク用車両フィールド・ワーク用バイクフィールド・ワーク用自転車太陽熱温水器(笹川研修寮用)オシロスコープ治らい薬リファンピシン    300mgランプレン      100mgランプレン       50mgDDS          100mg歯科治療物品 195,000錠205,000錠1,920,000錠2,745,000錠18品10台143,000錠149,000錠1,480,000錠2,026,000錠5台250組6台109,200錠109,000錠1,036,000錠1,554,000錠1台10台34台1台13台13台241,600錠267,000錠2,670,000錠3,435,000錠62,000錠2,500錠63,000錠584,000錠876,000錠10台74,900錠88,000錠880,000錠1,081,000錠18品4台10台20台6台1台20,800錠23,000錠222,000錠295,000錠39品 MDT患者用ホセ・N・ロドリゲス記念らい病院MDT患者用サマサイ研究所MDTフィールド用インドネシア保健省MDT患者用中国衛生部MDT患者用ザンビア政府MDT患者用シフリンらい研究研修センター国立小鹿島病院


6. らいに関する広報啓蒙活動
[1] パンフレットの作成
(1) 中国のらい事情(2)    200部
(2) らい研究報告書     150部
(3) 財団紹介パンフレット  500部
[2] らい関係教材の購入及び配布
教材名 数量 購入先 備考
日本らい学会雑誌 60部 日本らい学会 発展途上国のらい専門家に配布、及び財団保管用
Leprosy Review 28部 英国救癩協会 世界各国のらい専門家に配布及び財団保管用
Leprosy Review(SPECIAL ISSUE) 1,375部 英国救癩協会 世界各国のらい専門家に配布及び財団保管用
International Journal of Leprosy 125部 国際らい学会 世界各国のらい専門家に配布及び財団保管用
ポスター(3種)らいの手引きらいガイドブック患者登録簿 1,500枚3,500部2,500部20,000枚 インドネシア政府 インドネシア保健省伝染病予防局の要請により現地語にて印刷(インドネシア語)


<2>.アジア・アフリカ等における寄生虫症対策研究及び援助
1. 技術者研修
1-1) 日中寄生虫予防研修(於 日本)
(1) 財団法人 日本寄生虫予防会委託
[1]研修場所 [2]国名 [3]研修期間 [4]研修者氏名
東京都予防医学協会福島県公衆衛生課福島県保健衛生協会福島県保原町保健所福島県梁川町公立藤田総合病院 中国 自62. 7. 6至62. 7.20 李 文忠(内蒙古)呉 樹林(遼寧省)易 言治(江蘇省)張 作沛(山東省)劉 振傑(山東省)馬 利中(上海)


[5] 研修内容  イ. 回虫、鉤虫など土壌伝播寄生虫に関する学術知識の習得
ロ. 集団検査、集団駆虫など効果的な寄生虫予防対策の実施方法、ならびに衛生教育の波及び効果についての検討
ハ. 家族計画、母子保健など他の公衆衛生活動との統合による、より有効な実施方法の検討

(2) 筑波大学〔医生学教室〕委託
[1]国名 [2]人員 [3]研修期間 [4]研修者氏名 [5]研修場所
自62. 4. 6至62. 4.26 Dr.Leng Yan-jia(冷 延家) 横浜市立大学医学部 寄生虫学教室、ほか
中国 3 自62.11.16至62.12.15 Dr.Liu Yue-han(劉 約翰)Dr.Yao Ming-yi(姚 民一) 筑波大学基礎医学系東京大学医科学研究所順天堂大学慈恵会医科大学横浜市立大学、長崎大学


1-2) 海外寄生虫技術者研修
[1] 研修場所  タイ・バンコク:
マヒドール大学熱帯医学部及び公衆衛生学部
[2] 研修期間  昭和62年10月12日〜10月24日
[3] 研修人員  24名
国名 人員 研修者氏名
バングラデシュインドネシアマレーシアネパールフィリピンスリランカタイ 3333336 Mr.Mohammad Tahazzat HossainMr.S.M.Nazrul IslamMr.Mohammad Tafazzal HossainMrs.ILen AnandaDr.Dwi Ratna SarashvatiDr.Eko WibowoDr.Chooi-Kum HoongMrs.Radziah Mohamad DaudMrs.Mariam Bin SulaimanDr.Arjun Dev BhattaDr.Ramesh MallaMiss Rukmini DhunganaDr.Magdalena M.YabanezDr.Rhodora R.PerezMiss.Fe F.BandaDr.Nellie Nanoawathie RajaratneMr.Hewagamage PiyadasaMr.Dissanayaka M.Tikiribanda SissanayakaMr.Wiwat AngsusinghaMrs.Rungnipa VierraMr.Prahuss ThaphongMr.Vorapot LorpattharapongMr.Chatree MuennooMr.Prasart Vorasant


[4] 研修内容  イ. 各国における土壌伝播寄生虫防除担当者のための技術訓練及び幹部指導者としての教育
ロ. 家族計画インテグレーションにおける効果的な運営方法の検討
ハ. 地域フィールドにおける実践活動に即した効果的伝達講習システムの検討
2. 現地技術協力
2-1) アジア、アフリカ等における技術協力
[1]派遣国 [2]人員 [3]派遣期間 [4]派遣者氏名及び所属 [5]派遣目的
自62. 6.28至62. 7.20 筑波大学基礎医学系 教授 安羅岡一男
自62. 9.16至62.10.13 東大医科学研究所 助手 松田  肇筑波大学基礎医学系    大前比呂志 ボホール島に断る日本住血吸虫駆除対策の援助及び技術協力のため
4 自63. 1. 4至63. 1.31 筑波大学基礎医学系 教授 安羅岡一男
フィリピン 1 自62.10.18至62.11.18 Miss CrispinaHinlayagan 上記対策5ケ年計画のまとめ及び今後の対策協議のため
自62. 6. 4至62. 6.29 広島大学医学部 教授 辻  守康
中央アフリカ共和国 4 自62. 9.19至62.10.10 広島大学医学部 教授 辻  守康広島市・本永病院 理事 片山 精壮広島県地区衛生組織連合会 運天 芳浩 ブアール地区の寄生虫症調査、治療並びに技術指導
自62.11. 4至62.11.17 東大医科学研究所 教授 田中  寛
中国 2 自62.11. 4至62.12. 3 筑波大学基礎医学系助教授 入江 勇治 中国における寄生虫症対策の調査及び研究
自62.10.13至62.10.20 千棄大学医学部 教授 小島 荘明
タイ 2 自62.10.13至62.11.24 福岡大学医学部助教授 赤羽 啓栄 寄生虫撲滅対策における栄養改善に関する研究


3. 薬品機材供与
3-1) アジア・アフリカ等に対する薬品機材供与
[1]対象国 [2]品名 [3]数量 備考
フィリピン フェブロールコンバントリンアルベンダゾル診断用機材 220kg500錠150錠19品 ボホール島における寄生虫症根絶対策のため
中央アフリカ共和国 プラジカンテルコンバントリンフラジール診断用機材 2,000錠5,000錠4,500錠22品 ブアール地区における寄生虫症根絶対策用
タイ ピペット(デジタル可変型)診断用機材 4点4品 タイ寄生虫症根絶対策用

■事業の成果

今日ではアジアにおける発展途上国も次第にらい対策の重要性に目覚め、自国の公衆衛生上の問題として、積極的に取り組む姿勢が見られるようになった。
 しかし、現実には、近代医療の恩恵を受けている患者は、世界の総推定患者1,000万の1/2にも満たず、まだまだ多くの問題が残されている。その最大の理由は、らい対策に従事する現地保健要員の不足が患者の発見及び定期治療を阻害し、折角の特効薬の恩恵が、らい患者にゆきわたらないところにある。
 これに対し、近年WH0はプライマリ・ヘルス・ケアを通じて全患者への複合療法実施を提唱し、当財団もこの線に沿って協力を続けてきたところであるが、これに加えて、より有効な治らい薬及びらい予防ワクチンの開発を含む基礎及び臨床研究に力をそそぐと同時に、保健要員のトレーニング、治らい薬等の供与を行ってきたものである。また、寄生虫症対策も新しいニーズに対応できるよう内容を改めつつ、らい対策と同様な方法でマンパワー育成のための研修、技術指導、それに必要な薬品、機材の供与をも行った。当財団は、こうした事業の遂行により世界における保健、衛生の向上に大いに寄与していくものである。





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