■事業の内容
(1) 小型船舶用無線設備の整備 わが国の海難の大部分は、小型船・漁船・プレジャーボート等のいわゆる小型船舶が占めているが、これらの海難を未然に防止し、或いは被害を最小限にくい止めるとともに効率的な救助を行うため、昭和61年6月1日郵政省の省令改正により400MHz帯の電波が割当てられたのを期に、モーターボート等の小型船舶の活動海域沿岸に海岸局を設置し、海上には海上安全指導員によるハンディ無線局(船舶局)を整備して、それぞれ(社)関東小型船安全協会、(社)中部小型船安全協会、(社)関西小型船安全協会、(社)瀬戸内海小型船安全協会へ寄贈した。 [1] 小型船舶用海岸局の設置 a. 型式 JHP-45S05T 内訳 無線機本体・AC電源(可搬式アダプタ)スタンドマイク・アンテナ(30Mケーブル付) b. 構造等 周波数範囲 335.4〜470MHz チャンネル数 2MHz内に6 空中線インビーダンス 50Ω不平衡 入力電源電圧 送信時約 1.3A 受信時約 0.1A 使用温度範囲 -10℃〜+50℃ 外形寸法 約幅220 高120 奥行200 重量 約 7kg 送信出力 5w 受信感度 3dB(μv)以内 c. 設置数 10局 d. 設置場所 関東4局、 中部 2局、 関西 2局、 瀬戸内海 2局 [2] 海上安全指導員用(ハンディタイプ)無線局(船舶局)設置 a. 型式 JHP-45S05T 内訳 無線機本体・アンテナ・ケース・充電器 b. 構造等 周波数範囲 335.4〜470MHz チャンネル数 2MHz内に6 空中線インビーダンス 50Ω不平衡 入力電源電圧 送信時約 1.3A 受信時約 0.1A 使用温度範囲 -10℃〜+50℃ 外形寸法 約 幅220 高120 厚43.5 重量 約800g(電池含む) 送信出力 5w 受信感度 3dB(μv)以内 c. 設置数 103局 d. 設置場所 関東 58局、 中部 17局、 関西 21局、 瀬戸内海 7局
■事業の成果
近年における生活水準の向上、週休2日制の普及、余暇利用に対する意識の高揚等に伴い、ヨット、モーターボート、遊漁船等を利用するレジャーが普及し、これら小型船舶(3トン以下)は現在約70万隻利用され、操縦士免許の普及により、更に増加の傾向をたどっている。これに対する小型船舶の海難防止は、「小型船舶の安全確保」事業を柱として各種の対策を実施してきたが、かねてより小型船舶の通信手段の整備促進が要望されていた。 昭和61年6月1日郵政省の省令改正により、小型船舶無線用として400メガヘルツ帯の電波が割り当てられることになったのを期に、小型船舶の活動海域沿岸に海岸局を設け、海上安全指導員に船舶局としてハンディタイプの無線機を付与して、緊密な連絡網を整備したことは誠に時期を得た事業であり、小型船舶等の事故の未然防止と安全確保のための有効な措置が可能となることから、万全の体制が確立されるものと期待されるものであります。
|
|