■事業の内容
1) 調査研究 [1] テーマ マルチメディアシステム・アプローチの手法を用いた教材群の開発 [2] 内容 初等中等教育における新しい科学教育の推進を図るニューメディアを含んだ学習用教材群の開発指針として「新しい科学教育の推進を図る教材群の開発指針」(提案)を作成した。 2) 調査研究方法 [1] 学識経験者、中・高校理科教育担当のメディアスペシャリスト、パーソナルコンピュータソフトウェア技術者からなる「教材群開発指針作成委員会」(委員構成10名)を設け、5回にわたる委員会を開催し、開発の方策と具体的な実施案を審議・検討して「新しい科学教育の推進を図る教材群の開発指針」(提案)に取りまとめ提示した。 [2] 教材群開発指針作成委員会の一部委員から「教材群開発指針起草小委員会」(委員構成5名)を設けて、10回にわたる委員会を開催し「新しい科学教育の推進を図る教材群の開発指針」(提案)を審議・検討して、起草した。 3) 報告書の作成、配布 [1] 部数 700部/規格 B5判/64ページ [2] 配布先 文部省関係、国立国会図書館、視聴覚教育センター、教育研究施設、教育工学部のある大学図書館、ソフトウェア開発団体等。
■事業の成果
現行の学校のカリキュラムは、どちらかと言えば教師中心であり事実を中心に展開され、また、教科書中心でありがちとなっている。これを、子供たちを中心とした多様な選択性のあるカリキュラムに構築変えし、問題解決や過程、志向を重視した能力を身に付ける未来志向形の学習に切り換える必要がある。 よって、科学教育の展開にあたっては、概念形式に先がけて経験される直接体験、原体験の先行を重視し、概念や知識を既存の静的な体型として覚え込ませるものとしてではなく、我々が住む環境と現実にかかる「問い」と「発見」からなるものとして、学習者に認識させることにある。 このような基本的なものを実現させ、その役割を果すものとして、印刷教材はもとより、映画やラジオ、テレビなどマスメディアも取り入れられ、そして現在、いわゆるニューメディアと呼ばれるコンピュータをはじめとする物流系のメディアと、通信系のメディアとを教育の中にも活用されはじめている。これらのメディアの特性を生かし、学習が「問う」こと、「思考」することを重視した教材群の開発に当って、基本的な方策をまとめたものである。 本「教材群開発指針」(提案)作成されたことは、教育関係者や教材を開発しようとする者にとって、優れた教育用の教材・ソフトウェアの開発と普及に役立ち、今後のより豊かな教育の充実に資するところ大なるものと思料される。
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