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■事業の内容

A. 観光情報の収集と情報管理の高度化
 観光情報の基幹資料である「全国観光情報ファイル」は、昭和58年をもって第3回内容更新を完了し、59年度からは3カ年計画でこの内容を電算機に収容し、観光情報のデータベース化を行った。
 62年度は全国にわたり観光情報内容の更新業務を行い、全国観光情報ファイルを作成するとともに、64年度目標の同ファイルのCD-ROM化に着手した。
1) データベース更新業務
[1] 北関東、南関東、富士箱根伊豆、近畿I、近畿<2>地域の観光情報の内容の全項目について市町村別に蓄積されている内容を調査票として出力し、最新情報の収集と更新を行った。
[2] 北海道、北東北、南東北、中国及び四国、東海、信越、北陸、北九州南九州地域の観光施設と観光交通機関および宿泊施設について[1]と同様に、最新情報の収集と更新をはかった。
2) 情報の審査方法
 各市町村に都道府県観光協会(連盟)を通じ、観光情報ファイル原案の審査を依頼した。
3) 対象地域
 47都道府県
4) 観光情報ファイルの作成
 昭和59年度より全国観光情報ファイルのデータベース構築と加除可能なバインダー形式による印刷物としての全国観光ファイル全15巻を発行してきた。
[1] 規格   B5判
 北関東、南関東、富士箱根伊豆、近畿<1>、近畿<2>の全国観光情報ファイルを本として作成
[2] 数量   500組
[3] 配布先  都道府県観光主管課及び観光協会(連盟)
地方観光情報センター及び都道府県、市町村観光案内所
関係省庁及び交通・観光関係機関等
5) CD-ROM化作成のためのソフト開発(62年、63年度)
● データベース化された観光情報ファイルをCD-ROMに蓄積し、パソコンによる検索システムを構築するためのソフト開発に着手した。
● データベース検索ソフトは2年間(62・63年度)で作成することとし、本年度においては、基本設計にあたる検索手順、画面構成について委託先と検討をかさね、基本設計書をまとめた。
● マスターテープ編集ソフトについては2年間(62・63年度)で作成することとし、本年度は現データベースをCD-ROMにプレスするためにデータを2バイト毎に組み替えるソフトについて、データベースの性格を考慮し、どのように、何を収容していくかについてのプログラムの基本設計を行った。
6) 実施の方法
 観光情報収集・提供事業のデータベース構築は、元原稿を作成したものを関係都道府県観光主管課(協会、連盟)を通じ、関係市町村に審査を依頼し、電算処理業務並びにCD-ROMのソフト開発は専門機関を活用して実施した。
B. テーマ別観光情報ファイル
 「テーマ別観光情報ファイル」(昭和53年度より刊行)は、各観光情報センター及び市町村観光案内所等において活用されるほか、新聞、雑誌等にもその内容が紹介されている。
 62年度は、四季毎のテーマを選び、それにそった全国の観光資源・施設を紹介する「旅の百科(春・夏編)」を作成、63年3月に刊行した。
1) 収集の方法
 全国の各都道府県観光協会(連盟)にテーマ別に分類した観光情報の収集を依頼した。
2) 実施の方法
 テーマ別観光情報ファイルの作成は、全国の各都道府県観光主管課(協会、連盟)にテーマ別に分類した観光情報の収集を依頼し、基本情報を収集した後、原稿を作成し、編集は専門機関を活用して実施した。
3) テーマ別観光情報ファイルの作成
規格   B5判オフセット印刷 120頁/回
部数   2,500部
配布先  都道府県観光主管課及び同観光協会(連盟)
地方観光情報センター及び都道府県、市町村観光案内所
関係省庁及び交通・観光関係機関等
C. 情報提供ネットワークの体系化
 昭和61年度に完成した全国観光情報データベースをオンライン、オフラインにより活用をはかるために必要なシソーラスファイルを作成しデータベースに付加することおよび、テーマ別によく利用される情報の深度化を図った。
 また、本部にパソコン1台を導入し、パソコン通信を介したイベントやスキー情報の提供に活用した。
1) シソーラスファイルの作成
 シソーラスファイルの作成にあたっては委員会を設置し、専門機関(実業之日本社)に作業を委託して行ない、データの入力は(株)廣済堂に委託して実施した。
[1] シソーラスファイルの内容
 観光目的、観光動機に応える検索キーワード146を設定し、さらにその検索キーワードの選定を容易にするために18の見出しを設定した。
 対象とした観光物件数は約5,OOO件
■事業の成果

本事業は従前の全国観光情報ファイルデータベースを更新し、さらに従来、印刷物としてのみ利用可能であったデータベースをCD-ROM化するということで付加価値を付け、より使用しやすいデータベースを構築するという新しい施策に着手したことは、観光情報のあり方、ひいては、だれでも簡単に観光情報に接することのできる観光情報提供体制へ向けての大きな前進となった。
 また、テーマ別観光情報ファイルは、各季節ごとの旅行でテーマを約50設定し、それぞれに代表的旅行目的地を紹介しているが、近年とみに多様化しつつある観光旅行への消費者ニーズに対応するとともに、最大限に写真を使って、視覚に訴えるよう努め、消費者向け観光情報提供の充実に寄与した。





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