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■事業の内容

(1) 将来交通需要の予測
[1] 将来人口フレームの予測
 昭和80年を目標とした将来交通需要量を予測するため、交通需要量の前提となる将来の人口予測を行った。
[2] 需要予測方法の検討
 東京圏における需要予測手法等を参考に4段階推定法とし、各段階の予測モデルについて、既存調査結果等をもとにモデル構築を行った。
[3] 将来交通需要量予測結果
 昭和80年における将来人口フレームを前提として、将来の路線別交通需要量を予測した。
[4] 予測路線交通量と需給バランス、採算性の検討
 各路線の交通量を大阪、京都、神戸の3大都市の各都心境断面及び大阪市の市境における流入量により、その需給バランスを把握するとともに、計画路線の採算性について検討した。
(2) 交通網整備のあり方、方策及びネットワークの検討
[1] 現況からみた交通網の課題等の整理
 大阪圏の鉄道網の現況と課題について、既存資料並びにヒアリング調査により把握するとともに、既存施設を活用した相互直通、13号答申の未実施路線の評価及び整備方策、大規模プロジェクトに対応した新規路線等について検討した。
[2] 交通網整備上の課題
 既設線の混雑緩和の推進、輸送量の集中の回避、大規模プロジェクト等への対応、効率的都市交通ネットワーク形成のための対策の推進等、輸送需要に見合った公共サービスの整備、充実等の観点からの交通網整備上の課題を整理した。
[3] 鉄道網整備上の問題点と整備方策の課題
 大阪圏に歩ける鉄道網整備上の問題点については、採算性の確保、工事実施の側面からの問題点を指摘するとともに、整備方策については、建設・運営主体のあり方、地方自治体による支援、建設費の低減化等、鉄道建設に対する助成制度、円滑な運営の確立のための課題を整理した。
(3) 報告書の作成
200部 B5版
配布先:運輸省、地方公共団体、関係団体他
■事業の成果

大阪圏においては、ラッシュ時の交通混雑が社会的問題となっているほか、関西文化学術研究都市等の大規模プロジェクトによる地域開発の進展とともに、望ましい都市構造への誘導のための交通網の整備が強く望まれている。
 本調査は、このようた背景のもとに、大阪圏における将来の交通需要予測を行うとともに、交通網整備上の課題や問題点の把握と今後のあり方、方策及びネットワークの検討を行ったもので、この成果が都市住宅地の外延化による通勤・通学流動の変化と望ましい都市構造の形成に対応する交通網整備の実現のために貢献できるとともに、運輸政策審議会地域交通部会の基礎資料として役立つものと思料する。





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