■事業の内容
A 情報伝達システムの設計に関する調査研究 (1) 研究内容 [1] 現状分析 地域防災業務についてのシステム化ニーズ調査及びヒアリング調査を行い、地域的な防災情報システムの対象となる社会的ニーズや防災業務の流れなどを整理した。 また一方、コンピュータが得意とする「データの繰り返し利用」「大量かつ複雑な処理」「システム化の可能性」等の観点から、コンピュータ導入対象業務を絞り込み、業務間データの流れを整理し、現状分析を行った。 [2] 概念設計 システムの全体イメージで表現された全システムを実現することは、経費的に、あるいは運用体制からみて困難であるため、短期、中期、将来構想とに分けて、前項の現状分析に基づくシステム構築の手順を検討した。 [3] 基本設計 この段階では、システム化対象業務に属する作業項目、使用データを概括的に整理することにより作業間のデータの流れを整理した。 さらに、本システムにおけるシステムの構成(情報の格納・検索方法、コンピュータの使用機種及び基本ソフトウェア)及びデータの構造、システムの機能、各種防災情報の評価方法等の検討を行った。 [4] パイロットシステムの作成 代表的な業務処理手順に即して、パイロットシステムの処理手順の一部を作成することにより、パイロットシステムの内容を検討し、システム化のイメージを明確にした。 また、合わせてシステム導入手順について具体的な考察を行った。 [5] 問題点と今後の課題の検討 パイロットシステムの検討結果等を受けて、問題点と今後の課題の検討を行った。 (2) 研究方法 本研究は、消防行政関係職員、学識経験者及び防災関係団体からなる「消防防災情報地域システム委員会」を設置してすすめた。 (3) 報告書の作成及び配布 研究委員会において、その成果として報告書をまとめ、A4判により300部を作成して都道府県及び主要都市へ配布した。 B 消防防災情報処理の効率化に関する調査研究 (1) 研究内容 [1] 消防防災行政の各分野の統計情報についてのデータベース化を検討した。 [2] 予防行政における消防防災情報処理事務のOA化について研究した。 (2) 研究方法 本研究は、消防機関関係者による「消防防災情報処理の効率化に関する調査研究委員会」を設置してすすめた。 (3) 報告書の作成及び配布 研究委員会において、その成果として報告書をまとめ、A4判により1,000部を作成して都道府県及び市町村消防機関等へ配布した。
■事業の成果
1. 情報伝達システムの設計に関する調査研究 本研究では、地域の防災体制を強化するために有効であると考えられる消防防災情報システムについて、開発環境(防災情報システムの開発動向、市町村におけるシステム化のニーズ)、開発方針(システム化対象業務の検討、情報処理形態の検討)、概念設計、基本設計、導入計画の順に検討をすすめ、その機能、コスト、効性等を確認し、システム整備の方向性を提示した。 2. 消防防災情報処理の効率化に関する調査研究 都市の災害要因が、複雑多様化する状況にかんがみ、これに適切に対処するために消防防災情報処理の効率化を図り、収集された統計情報を有効に検索、分析し、活用するためのシステムの開発の基礎づくりを成すとともに、予防行政における消防防災情報処理のOA化に当たって、予防情報システム化のための条件整備、概念設計等の成果があり、今後の指針を示すことができた。
|
|